ミナトミライ22,ヤマシタ公園

魅力に満ちたヨコハマの夜は眠らない。

昼に夜にさまざまなスポットでニューロキッズのココロを躍らせる。
目新しいもの好きならミナトミライ22で、フローティング・ポートからアクセスすれば
カップルで良い雰囲気に浸れるヤマシタ公園までひとっ飛び。
ここからはベイブリッジの眺めだって最高さ。
もちろん小粋で洒落た関内も見逃せない。
アイスやディナーだって、酒やドラッグだって、女や男だって楽しめるだけ楽しめる。
それがミナトミライ22からヤマシタ公園までの街並み。

そう、欲望に満ちたLU$Tの夜は眠らない。


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 [ No. ]


では、またいずれ・・・

Handle : 総領美樹   Date : 99/11/22(Mon) 15:56
Style : エグゼク◎カブト、カリスマ●   Aj/Jender : 29歳/男性
Post : 千早重工情報処理部部長


「・・・またご配慮いただいてしまったようですね」
苦笑して総領は言った。
さすがに人事を統括しているだけに、そのへんは”読みすぎて”しまうのかもしれない。懐の深い人物だけに、ぜひ話をしたかったのだが、そこはお互い企業の人間だ。他から変に誤解されるのもよくないだろう。
「では、またどこかでお会いしましょう。その時を楽しみにしていますよ」

http://www.teleway.ne.jp/~narukami/ [ No.1 ]


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白昼の中

Handle : 倭陀摘 沙帰   Date : 99/11/27(Sat) 17:55
Style : カブト◎ バサラ バサラ   Aj/Jender : 28歳 女性


 夕べの酒が未だ抜けていない。
 喉の奥を滑った甘く苦い感覚は、思い出と共に沙帰の
心を撫でていた。久しぶりの二日酔いだった。
 眼前には、鈍蒼色の海が広がっている気がする。潮の風が
髪を微かに擽って、短めのそれを揺らした。
 喧騒は膜の中にあるように静まっている。宝石を散りばめて
飾ったような、その下に生物の血肉が蠢いているような街だ、
と沙帰は思った。あるか無きかの脆い海の匂いに包まれている。踏み入れたのは始めてだが、靴のヒールが小さくダンス
のステップを踏んでしまいそうな感じがした。
 そこまで考えて沙帰は自分が可笑しくなった。
 手元のバックを開き、手帳を取り出した。朝にポケットロン
で呼び出されたばかりの仕事の内容が書かれている。
 舞う耳元の髪を指で押さえながら、沙帰はそこに目を走ら
せた。

 [ No.2 ]


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コーヒー

Handle : ウェンディ・リル・イン・フェリス   Date : 99/12/10(Fri) 10:49
Style : カブキ ミストレス●クグツ◎   Aj/Jender : 22/F
Post : BLAKK MOX人材派遣センター


「ええ、ありがとう」
デュークから珈琲を受け取ったウェンディは、手短にあった椅子に座った。
「やはりナイトワーデンの方でしたのね」
ウェンディは、その言葉を聞いてほっとした。
あそこに所属している方であれば安心だと。
「カブトの方とは仕事場で良くお会いする事があるの。
客人の接待も私達のお仕事ですから。」

ウェンディが所属しているBLAKK MOX人材派遣センターは、
その格好のような家政婦やメイドとしての仕事との他に
パーティ会場の接待の仕事などもあったのだが、
現在ではその多くがドロイドが行う仕事になっていた。
彼女らを雇うことができるのは金と地位を持った者、
一般人はあまり縁のないものといって間違いなかった。

「私のお仕事は、一日中か夜のお仕事が多いの。
星をゆっくりと見られるのは本当に久しぶりだわ」
ウェンディはデュークににっこり微笑んだ。

 [ No.3 ]


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 [ No. ]


残念無念

Handle : デューク・イスルギ   Date : 99/12/13(Mon) 14:13
Style : Kabuto=Kabuto◎●Kabuto−Wari   Aj/Jender : 25/M
Post : ナイト・ワーデン


「へえ、そうなんだ。今時珍しいね」
仕事もそうだが、星を見たいという感性も。
この時代”くだらない感傷”といって切り捨てられがちな行為。デュークはそんな”感傷”が好きな人間であった。

「こっちの仕事も似たようなもんさ。
まあ、こうして出会えたんだし、今晩はこのまま一緒に・・・」
そういった時に彼のポケットロンが鳴る。
「ちょっとごめんね」
(電源切るの忘れてたぜ。せっかくいいところだったのに)
不機嫌そうにポケットロンを取り出し、コール元を見る。デュークはとても嫌な予感がした。

「はい、もしもし。俺ですけど」
電話はしごく普通の台詞で始まり、「ええっ」とか「そんな」などのよくある応答が続き、最後はお約束の「わかりました・・・」で幕を閉じた。

ポケットロンを切ったデュークは軽くため息をついてからウェンディの方を向き
「ヨコハマでもウチは商売繁盛らしい。人手が足りないんだって。
ごめんね。本当に残念だけど、俺もういかなきゃいけなくなっちゃた。
本当は、君と、一晩中星を眺めていたいんだけどね」
そういって彼はメモになにか走り書きをして、それをウェンディに手渡した。
「これ俺のポケットロンの番号。なにかあったら連絡してね。すぐに飛んでくからさ。
それじゃ、おやすみなさい、かな。よい夢を」
そういって休憩所を出たデュークの顔は”ストッパー”の顔になっていた。

 [ No.4 ]


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 [ No. ]


シュハキマセリ

Handle : 倭陀摘 沙帰   Date : 99/12/15(Wed) 22:09
Style : カブト◎ バサラ バサラ   Aj/Jender : 28歳 女性
Post : ナイトワーデン内の組織


 どこかのラジオがけたたましく聖歌を歌っている。
街並みを横切る沙帰の耳を、それは微かに撫でてくる。
 いい響きだった。街の中を踊るように巡っている。
 沙帰は顔を微かに上げた。短めの髪が瞼に掛かる。
 薄青い空がそこにある。温かな陽光が頬に降りかかる。
歌が幾ら流れても、ここには雪は降らず、諸人挙りて祝う
ぺき主は訪れない。祈りの形骸だけがある。
 ・・そう思うが、何も意味は無いことだ
 沙帰は信仰者ではない、ただ、その祈りの端々や歌声に
惹かれているよくある人間なのだった。
 蒼い空に歌が吸いこまれて行く。鐘の音と共に。
 彼女は先に聞いた仕事の内容を思いだしていた。

 沙帰の属するナイトワーデン内の小さな組織そこの直属の
上司は、ポケットロンを通しても静謐な声を持っていた。
「クリスマスパーティーに行ってほしいの。」
 珍しい名前に沙帰は小さく驚いた。
「そこの街で行われます。地下に造られた教会があって、
ミサの後開かれるそうです。」
「護衛ですか?」
「ええ・・純粋なものなのだけど、かなり著名な文化人も
来ているそうです。為るべく静かに、目立たないように
したいのですと。」
「相分かりました」
 口調の端に信頼感を滲ませることの出来る人だった。
重ねた歳の比例に得たものなのだろうか。白髪交じりで
灰色になった髪は優美さを失わず、騎士の一団というよりは
修道女に似た雰囲気を持つ女性だった。
 静か、には二つの意義がある。雑音の無いこと、もう1つは
破壊の性を持つ道具を持ちこまないこと。
 それにより、場を平穏で満たしている事。それを望む人々
もいる。衛られることを必要とされる人々でも。
 沙帰が属するのは、その静けさを保つ為の役を担う者の
集う場所だった。彼らは身体の内に無形の武器を持つ。
 
「クリスマス・・か。」
 息づいている祈りの時。
 例え教えの内容は届かなくとも、清いもの、神聖なるもの
を人は求める。例え血肉の一部が電子になっても、だ。
 自分が聖歌に惹かれるのもそんな意思だと感じ、沙帰は
少し申し訳なく思っていた。
 街の喫茶店から紅茶の匂いが流れてくる。ビルの隙間から
泳ぐ風がコートの裾を舞わせる。
「・・敬いの心を持って、仕事をしないといけませんね。」
 

 

 [ No.5 ]


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“NO_DATA”

Handle : “Master-Killer”ダンタリオン   Date : 100/01/11(Tue) 17:22
Style : HIRUKO,KAGE-MUSHA,SHADOW◎●   Aj/Jender : 20ties?/?
Post : Freelance(?)


 何時からか暗がりの公園のベンチに腰掛けている男が居た。
歳のころは30過ぎだろうか。ビジネススーツを身に纏ったその背格好は、
中肉中背のいたって普通の黒人の中年男性だが、何かしら貫禄が感じられる。
 男は暫く、考え事をしていたようだが、懐からおもむろにK-TAIを取り出すと、
何処かに電話を掛け始めた。
「ああ、俺だ。契約通り依頼は終了した。明日にでも後金を取りに行く。」
それだけを告げると男は電話を切り、全メモリを初期化した後
そのK-TAIを握り潰して屑篭へと放り投げ、夕闇へと消える。
もし、今誰かがこの握り潰されたK-TAIを調べたとしたら、ある矛盾を知るだろう。
このK-TAIについた指紋の持ち主は、すでに死んでいるのだから。

 半時ほど時間が過ぎ、男が消えた方向から人影が現れる。
それは先程の黒人男性とは似ても似つかない、20代半ばに見える黄色人種であった。
カジュアルな格好をしているが、肩甲骨の辺りまである黒髪を三つ編みにし、
眼鏡を掛けた割合おとなしめの女性のようだ。
そのまま公園を出てミナトミライの街並みを歩きだす。
ふと彼女が街頭のオーロラビジョンに目を止めると、
LU$Tに支社を持つ企業のエグゼクが病死したと言うNEWSが流れている。
そのエグゼクは2時間ほど前に自社の駐車場で心臓発作を起こしたらしい。
だが、その事後処理をした企業警察は知っている。
本当の死因は病死などではなく暗殺であったことを。
オーロラビジョンにはそのエグゼクの顔が映し出されている。そしてそれは。
先程公園のベンチに座っていた男であった。
その時にはすでに死んでいたはずであるのに。

NEWSが次の話題に移るころには、三つ編みの女性は歩き始めていた。
「さて、明日には報酬も入るし、何処かで美味しい物食べて行こうっと。」
微笑みながら、彼女は1週間振りの街の雑踏へと消えていく。

 殺されたエグゼクが新しい護衛を雇ったのは1週間前であった。
そして、三つ編みの女性は半年前から、M○●Nに留学してLU$Tには居ない

http://www.freepage.total.co.jp/ihsara/nova/casts/pf_Dant.html [ No.6 ]


[ Non Title ]

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 [ No. ]


N◎VAへ

Handle : ウェンディ・リル・イン・フェリス   Date : 100/01/12(Wed) 10:46
Style : カブキ ミストレス●クグツ◎   Aj/Jender : 22/F
Post : BLAKK MOX人材派遣センター


 大きなスーツケースを持った女性は薄暗い公園のベンチに来ていた。
ここへ来たのは横浜に来た時以来。
公園が見える場所で働いていたとはいえ、
なかなか仕事が忙しくて公園に来る時間もなかったのだった。
「この公園も今日で見納めね…あ、一番星…」
星空のあの日の事を思い出していた。
(今度ナイトワーデンにでも出かけようかな。)
夕暮れに輝く一番星の下、ウェンディはヨコハマを後にした。

 [ No.7 ]


[ Non Title ]

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 [ No. ]


逢う魔が時よ

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/03/21(Tue) 14:26
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : Aj:27/J:F
Post : 旅行者


 黄昏時の日の光が辺りを包み込む。昼と夜の境界が曖昧となり人が魔と出会うとき。
 そんな時間に彼女はこの公園に訪れた。
 大きな旅行鞄に旅慣れた風体、青い銀髪の長い髪は風に流されるままに、藍色の瞳には少し翳りが宿っている。
 彼女はベンチに腰掛けると懐から一通の封書を取り出し夕闇に透かして見上げる。
 横に並んだ三頭の豹と封蝋に捺印された黄金の鷹の紋章が目を引く。
 それがかの日の沈まぬ事を誇った国でどのような意味を持つ紋章なのかそれを知る者は驚くだろうか。それとも笑うだろうか?
「今更・・・私を召喚するというのですか?我が君よ」
 口元には笑みが、目元には涙が。手は拳の形に握られその内からは命の証たる紅き血がぽとりぽとりと彼女の服へと伝い染める。
「生け贄は我が兄だけでは足りないというのですか?」
 押し殺された嗚咽があたりに響く。だが、それを聞くのはただ夕闇のみなるかな・・・

 [ No.8 ]


[ Non Title ]

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 [ No. ]


黄昏の風に吹かれて

Handle : ”Dr.Manmachine”機野 ひとみ   Date : 2000/03/29(Wed) 16:27
Style : タタラ=タタラ◎●、カゼ   Aj/Jender : 24/F?
Post : 修理業”Dr.Manmachine”


「…たまには遠くに出かけてみるのもいいですねー。」
公園の中の海が見える場所。妙に背の高い古めかしいナース服に身を包んだ女性がのびをしている。

とそこへ風に乗ってひそやかに女性の泣く声が聞こえてくる。
「おばけ…じゃないですよね…?」変な勘違いをしつつひとみは声のするほうへ向かう。

わりあい近くのベンチに銀色の髪の女性がいた。その女性の手元を見たひとみはあわてて駆け寄る。
「いったいどうしたんですか!?こんなになって!」

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Toys/1745 [ No.9 ]


[ Non Title ]

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 [ No. ]


薄闇は陽炎を連れて

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/04/03(Mon) 15:13
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/F
Post : 旅行者


 声をかけられてふりむく。二十代前半の女性?
「別になんでもないの」
 嫌なところをみられたな。とも思う。だが、何故かとりつくろう気も起きない。
 全てがどうでもいいような気さえしてくる。このまま全ての血が流れ出てくれれば楽なのにとさえ思う。けれどそれを許せない自分が確かにここにいる。
 握っていた手をゆっくりと開けば綺麗にネールアートされた爪が皮膚を切り裂いている。その痛みが心地良い。
「気にしなくて良いわ」
 すっと立ち上がり干渉を拒絶するようにその場を去ろうとした。

 [ No.10 ]


[ Non Title ]

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 [ No. ]


おせっかい焼き

Handle : ”Dr.Manmachine”機野 ひとみ   Date : 2000/04/04(Tue) 03:25
Style : タタラ=タタラ◎●カゼ   Aj/Jender : 24/F?
Post : 修理業”Dr.Manmachine”


「別になんでもないの」
「気にしなくていいわ」
いっさいの関わりを拒むかのようにその女性は立ち去ろうとした。
「待ってくださいー!」ひとみはその女性の手首をつかんでそのままベンチに戻らせる。その力はとても女性のものとは思えない。

「どんな理由があるかは聞きません。でも、怪我をした人間を放っておけるほど医者としてのわたしは冷淡ではないつもりです。
おせっかいだとお思いでしょうが、それがわたしのやり方なんです。」さきほどとは打って変わった表情でひとみは言う。
そして腰のポーチからキットを取り出し手当てをはじめる。
「…こんなきれいな手、傷がついたらもったいないじゃないですか。」ひとみは微笑む。

 [ No.11 ]


迷子

Handle : 沙璃菜   Date : 2000/04/13(Thu) 15:23
Style : ミストレス=フェイト=マネキン   Aj/Jender : 内緒/女の子
Post : フリーランス(見習い)


 少女は、目を輝かせながら周りを見ていた。
「ねえ、あれは何?」
初めて訪れたこの地は彼女の好奇心を充分すぎるほど満足させてくれるものだった。
 少女は少しでも早くいきたいと、少し走っては立ち止まり、後方を向いている。

 ……しばらくかけて行き、後ろを振り返ってみると、そこには誰の姿も無かった。遠くの方で見える人影は、どう見ても、自分の知っている人物ではなさそうである。
 はっとした表情で、少女は周りを見てみた。しかし、全く見知らぬ土地は、彼女に何も教えようとはしてくれない。

 少女は突然泣き出した。泣きながら周りを必死になって歩きまわった。
 そして………

 [ No.12 ]


The Bless is ・・・・

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/04/13(Thu) 23:44
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/Female
Post : 旅行者


 重い重い溜め息を一つ。
 お節介焼きにもほどがあると。
「手当は・・・ありがとう。でも、入らぬお節介と帳消しね」
 仮面のような微笑みを彼女(?)に向ける。
 彼女が何か反応するのをまたず、今度は有無を言わせぬ勢いで立ち上がり。そして、隙を見せぬ物腰でその場を離れる。
 これ以上の干渉は耐えられないとばかりに。
「乾いた街と聴いていたのだけど」
 ぽつりと感想が漏れる。
 溜め息をまた一つついた先に・・・
 泣いている女の子を見かける。
「私も人のことはいえないのかもしれませんね」
 再び溜め息。
「どうかいたしましたか?リトルレディ」
 屈み込みその女の子と視線を合わせる。そして向こうが声をかけてくれるのを辛抱強く待っている。
 

 [ No.13 ]


………おねぇちゃんは?

Handle : 沙璃菜   Date : 2000/04/15(Sat) 05:26
Style : ミストレス=フェイト=マネキン   Aj/Jender : 内緒/女の子
Post : フリーランス(見習い)


 大声で泣き、歩き回る少女に女性が声をかけてくる。
>「どうかいたしましたか?リトルレディ」
少女は立ち止まり、目をこすりながら前にしゃがんでいる女性を見つめる。
「あのね、あのね………」
しかし、声をかけてもらったことにほっとしたのか、泣き声はやんだものの、涙はいっこうに止まる気配がない。
「ママと一緒に来たんだけどね…。…でもね…ママが見えなくなっちゃったの……」
 少女は一生懸命目をこすり、しゃくりあげながら話し始めた。
「でも…お姉ちゃんは誰…なの……?」

 [ No.14 ]


Sorry. I am・・・

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/04/15(Sat) 23:16
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/Female
Post : 旅行者


 少女が声をかけてくれたことに一つ、安堵の溜め息を漏らす。
「自己紹介・・・しようか」
 そこで一度言葉を区切り安心させるように微笑みを見せる。
「私はEL。旅行者なの。でも・・・帰り道が解らないから・・・。私も迷子なのかな?」
 そこでちょっと照れたように頬を染める。
「それで、貴方は名前を教えてくれるのかしら?」
 さぁ、こちらは名乗りました。だから、名乗り返してくれませんか?その瞳は少女にそう、訴えていた。

 [ No.15 ]


お友達

Handle : 沙璃菜   Date : 2000/04/16(Sun) 12:27
Style : ミストレス=フェイト=マネキン   Aj/Jender : 内緒/女の子
Post : フリーランス(見習い)


>「自己紹介・・・しようか」
「うんっ」
 少女は大きく一つうなずき、相手の反応を待った。
 そして、相手の紹介を聞いて、じっと彼女の顔を見つめる。
「えっと・・・沙璃菜・・・高田沙璃菜って言うの・・・」
 女性の笑顔につられたのか、少女も笑顔を見せる。
「おねぇちゃんも迷子・・・なの? じゃあ、一緒だね」

 [ No.16 ]


Load is Road

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/04/16(Sun) 23:28
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/Female
Post : 旅行者


「そうだね」
 少女の言葉に元気に大きく頷く。
「迷子同士。一緒に帰り道探そうか?」
 問いかけるような、導くようなそんな雰囲気を持って言
葉を放つ。
 軟らかい表情は。先程までの彼女の涙に隠された瞳に比
べれば数段魅力的に見える。
「ね?」
 そういって首を傾げてみせる姿は。
 実年齢よりも随分と可愛らしいものだった。
 

 [ No.17 ]


残された静寂

Handle : ”Dr.Manmachine”機野 ひとみ   Date : 2000/04/17(Mon) 06:48
Style : タタラ=タタラ◎カゼ●   Aj/Jender : 24/F
Post : 修理業”Dr.Manmachine”


女性は重い溜息をひとつつき、こういった。
>「手当は・・・ありがとう。でも、入らぬお節介と帳消しね。」
そしてあっという間に立ち去っていった。
「……。」ひとみは何も言えずに彼女を見送る。

「ふぅ…。」誰一人いなくなったベンチに座り込み、今度はひとみが溜息をつく。

そろそろ夕陽が沈む。

 [ No.18 ]


I AM A ROCK

Handle : “FateLeader”E・D   Date : 2000/04/19(Wed) 17:19
Style : Leggar◎,Kugutsu,Fate●   Aj/Jender : 19/♂
Post : フリーランス


LU$T桜木町。関内のはずれともいえる地区の洒落たビルの一室に俺はいた。

「 ・・・・・・・さようなら・・・・大好きだったヒト・・・・・・」
彼女がそっと呟いた言葉が、まだ耳に残っている。EODの悪いところは聞こえなければいいことさえ聞こえてしまうことだ。
どうしようもない喪失感に支配されて、何日すごしただろうか?仕事も金も酒も女も、癒しにはならなかった。なんともなしに言葉を出す。
「外の空気を吸いにいこう……気が滅入るだけだ」
バー、酒はいらない。中華街、今日は火曜日だ。コロッセオ、試合はない。
(近場にしよう)
関内、同業者は嫌いだ。元町、そんなガラじゃない。ヤマシタ公園、猿芝居の観客は願い下げだ。
MM22。都市の喧騒に埋没するのも悪くない。
黒革のコートを纏い、支度をしながら災厄前の歌を口ずさむ。「I AM A ROCK」。
  ‥‥I touch no one,
  No one touches me.
歌い続けるかわりに、俺はサングラスをかけた。

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8896/image/ed.gif [ No.19 ]


迷子同士

Handle : 沙璃菜   Date : 2000/04/19(Wed) 23:06
Style : ミストレス=フェイト=マネキン   Aj/Jender : 内緒/女の子
Post : フリーランス(見習い)


>「一緒に帰り道探そうか?」
「うんっ!」
 少女も大きくうなずいて、女性の方を見た。
「お姉ちゃん、ママみたいだね」
 小さな手を女性にのばしながら、少女はそう言うと、にっこりと笑った。
「じゃあ、どこいこっか?」

 [ No.20 ]


懲りないおせっかい焼き

Handle : ”Dr.ManMachine”機野 ひとみ   Date : 2000/04/20(Thu) 16:19
Style : タタラ=タタラ◎カゼ●   Aj/Jender : 24/F?
Post : 修理業”Dr.ManMachine”


あれからしばらく後。ひとみはMM22にいた。
何の当てがあるわけでもない。ただ、なんとなく車を走らせていたらここにたどり着いたのだ。

と、窓の外に見覚えのある男。E・Dといったはず。
ひとみは車(といっても装甲救急車だが)をよせ、窓を開いて声をかける。
「わたし、帰ろうと思うんですけど、乗って行きますか?」

 [ No.21 ]


ここは迷宮

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/04/21(Fri) 00:18
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/Female
Post : 旅行者


 少女が大きく頷くのを見て笑みを大きく深くする。だが・・
>「お姉ちゃん、ママみたいだね」
 小さな手を自分ににのばしながら、そう言った少女に少し哀しいモノを感じる。
(私も・・・そろそろ子供がいてもいい年なのでしね)
 ふと物思いにふけりかける。
>「じゃあ、どこいこっか?」
 その少女の一言で我に返り。
「そうね。とりあえずはこの公園の中一周してみようか?お母さん達探し回ってるかもしれないよ」
 そう言ってちょっと悪戯っぽく微笑んでみせる。
「それでも駄目だった今度はこっちからお母さん達探そう?」
 そういって少女の手を取る。
「待っているだけじゃ。どこにも帰れないから」
 少女に向かって問いかけるような。
 自分自身に言い聞かせるような。そんな不思議な言葉の雰囲気を宿しながら。

 [ No.22 ]


MIDNIGHT TRAP

Handle : “FateLeader”E・D   Date : 2000/04/24(Mon) 14:01
Style : Leggar◎,Kugutsu,Fate●   Aj/Jender : 19/♂
Post : フリーランス


チンピラをぶちのめし、気の弱そうなガキを恐喝。マネキン学生を強請って、ジャンプした債務者を泡風呂に沈める。
何もかもがいつも通り。懐はより暖かく、心はより冷たく。
やることもなくなり、“CYBERIA”へ向かう途中、幸せそうに肩をよせあうカップルとすれ違った。
「下らん……」
下らないが、その下らないことで苦い思いをしたのは俺自身だ。
背後から聞き覚えのある声がかけられた。左目を動かして機野を確認。
「遠慮する。行くところがあるんでな」
「こんな時間になっても帰らないと妹さんが心配され……」
「関係ない」
所詮自分の傷は自分で癒すしかない。何かに逃げるほど、若くもない。
このまま家に帰るのは癪にさわった。己は深夜の生き物なのだから。

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/8896/image/ed.gif [ No.23 ]


[ Non Title ]

Handle : 沙璃菜   Date : 2000/04/25(Tue) 07:08
Style : ミストレス=フェイト=マネキン   Aj/Jender : 内緒/女の子
Post : フリーランス(見習い)


>「とりあえずはこの公園の中一周してみようか?お母さん達探し回ってるかもしれないよ」
>「それでも駄目だったら今度はこっちからお母さん達探そう?」
「うんっ!」
 少女はそっと握られた手に、力を入れる。元気ではいるが、心の中では不安がやはりあるのだろうか………?
(まま、どうしちゃったんだろう?)
「あのね、公園の絵が描いてあった看板、来るときにあったんだよ」
 一瞬寂しそうな顔をするが、そんな気持ちを振り切ろうとするように大きく首を左右に振り、少女は大きく息を吸い込むと元気な声で女性に告げた。
「だから、みてこようよ。もっと迷子になるの、沙璃菜、やだからね」

 [ No.24 ]


It's a Advencher

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/04/26(Wed) 23:34
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/Female
Post : 旅行者


>「だから、みてこようよ。もっと迷子になるの、沙璃菜、やだからね」
 もっともな言い分だ。
 けれどそれを言うならもっと早くに気づけるんじゃないかな?そう思ったがとりあえず口には出さないことにする。
 もちろんポケットの中に入っているこの街の地図なんて言う無粋なものも奥にしまっておくことにする。
 答えを先に提示してしまうことが出来るけれどそれは耐えられた物でしかないから。
 自分で考え苦しんで得た物とは天地の差があるから。
 だからこの子も
 自分も
 答えを探さなければならない。
 帰り道という名の答えを。
「うん、それじゃまず地図を見に行こうか?それで記憶を辿っていけばどこで迷子になったか解るし。お母さん達探しやすいもんね?」
 少し自信なさげに、頼りなさげに、もちろんわざとだ。
 彼女が自分ほど弱く無いと思いたいが故に。

 [ No.25 ]


(−−#)(ごつん!)

Handle : ”Dr.ManMachine”機野 ひとみ   Date : 2000/04/27(Thu) 16:00
Style : タタラ=タタラ◎カゼ●   Aj/Jender : 24/F?
Post : 修理業”Dr.ManMachine”


> 「遠慮する。行くところがあるんでな」
> 「こんな時間になっても帰らないと妹さんが心配され……」
> 「関係ない」

立ち去ろうとするE・Dにひとみは拳を振り下ろす。
ごつん、と音が聞こえそうな勢いで。

「たしかにわたしには関係ありませんよ。でもティアちゃんの事、少しは考えてあげたっていいじゃないですか!」珍しくひとみが怒っている。
「あなたがどう思ってるかは知りませんけど、女の子に無用な心配かける男は最低です!」

 [ No.26 ]


おねえちゃんとおはなし

Handle : 沙璃菜   Date : 2000/05/05(Fri) 22:33
Style : ミストレス=フェイト=マネキン   Aj/Jender : 内緒/女の子
Post : フリーランス(見習い)


>「まず地図を見に行こうか」
「うんっ!」
 大きくうなずく。そして、握った手に更に力をこめた。母親が見つかるまでとはいえ、今は、彼女しか頼れる人物がいないのだから………。

 少女は歩きながら女性に一生懸命はなしていた。自分が初めてここに来た事、自分が住んでる所の事、そして、母親の事………。
「ねえねえ、おねえちゃんはどうしてまいごになったの?」
少女は不思議そうな目で女性の顔をじっと見つめた。

 [ No.27 ]


For me

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/05/09(Tue) 00:00
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/Female
Post : 旅行者


「どうしてか・・・う〜ん。どうしてだろうね」
 少女の質問に人差し指を唇に当て、考える仕草をする。
 答えは決まっているわけではない。知っているわけでは
ない。知っていたなら迷子になどならなかったろうから。
「きっとね、地図を持っていなかったからじゃないかな?あと、きっとね」
 そこで一度言葉を切る。
「自分一人でなんでもできるかなって。思ってたからかな」
 ちょっとだけ悲しそうに。
「さ、地図を探しに行こう。ゆっくりしてると。お月様もしずんじゃうぞ」
 そういって微笑みを向けた。

 [ No.28 ]


WHO KILLS DEMON?

Handle : “FateLeader”E・D   Date : 2000/05/10(Wed) 16:55
Style : Leggar◎,Kugutsu,Fate●   Aj/Jender : 19/♂
Post : フリーランス


振り返ると機野は今にも殴りかかってきそうな剣幕だ。(実際殴られたんだが)
こういう時相手の言葉は聞き流すに限る。気にしていると会話の主導権を握られるからだ。
機野の口が音を出すのをやめたのを確認する。とりあえず適当に嘘を吐こう。
「仕事があるんだ。約束の時刻までもう余裕がないな……失礼する」
そういった後、周囲の状況に気づいた。囲まれてる。視界の隅にさっきたかったチンピラ。
兄貴分を呼びやがったか……。銀星会の連中が何故かちらほら。
どいつもこいつもぎらぎらとしたサドっ気を瞳に浮かべ、俺と機野を見ている。暴力は嫌いだ。
「あー……俺とあんたは関係者じゃないってうまく釈明しとくんだな。お互い生きてたらまた会おうぜ。じゃな」
機野が聞き返す前にIDA−10高速走行機能を起動。後ろを見ることなく俺は夜の街を走り出した。

 [ No.29 ]


お月様…

Handle : さりな   Date : 2000/05/11(Thu) 09:33
Style : ミストレス=フェイト=マネキン   Aj/Jender : 内緒/女の子
Post : フリーランス(見習い)


>「自分一人でなんでもできるかなって。思ってたからかな」
>「さ、地図を探しに行こう。ゆっくりしてると。お月様もしずんじゃうぞ」
「うん………」
 少女はそれだけ言うと、女性の手をしっかりと握りなおした。元気な口調にわずかながら陰りが見える。
 それ以降、少女は何も言わずにてくてくと歩いていた。

 そして、しばらくして………少女はゆっくりと空を見た。ゆっくりと赤から蒼へと色を変えている空……。
 少女は黙ったまま大きくため息をついて、うつむいた。わずかにその目じりには光るものがあった。
「お月さまは、ママがどこにいるか知ってるよね………なんでさりなに……なんでママにおしえてくれないの?」
再び涙目になって、女性の顔をじっと見た。

 [ No.30 ]



Handle : “JP”ジャック・ドゥ   Date : 2000/05/14(Sun) 00:18
Style : カブト◎、カブトワリ●、バサラ   Aj/Jender : M/26
Post : フリーランス


ぐしゃり。
骨を砕く鈍い音が発せられる。
慌てて周囲を見るチンピラどもが目にしたものは右腕の骨を握りつぶされてる仲間の姿だった。

「・・・・・・・・・消えな」
崩れ落ちる仲間の後ろに立ったカブトがゆっくりと低い声を発する。
その左腕には握りつぶされた仲間の腕の肉片や血がこびりついてクロームを鈍く輝かせている。

「て、てめぁ!なに言って・・・・・・」
「ここから失せろと言ったんだ。それとも腕じゃなくて頭のほうが好みなのか?」
ゆっくりと鮫のようにカブトが笑う。
答え方によってはここにいる仲間全員の頭をこなごなにする、そんな笑みだった。


「ち、男のほうを追うぞ!」
気圧されたのか散り散りにちんぴら達が逃げて行く。

 [ No.31 ]


つめたいうで

Handle : ”Dr.Manmachine”機野 ひとみ   Date : 2000/05/14(Sun) 02:15
Style : タタラ=タタラ◎カゼ●   Aj/Jender : 24/F
Post : 修理業”Dr.Manmachine”


「…!」ひとみは目の前で立て続けで起こった事態を把握しきれなかった。
 ひとみが目にしたのは金属の左腕を血に染めて立つジャック。

「ジャック…さん?」ひとみは思わずたずねる。目の前にいる人物がひとみの知るジャックとはまるで違う。

『ありがとうです〜とってもこわかったです〜』いつものひとみなら間髪いれず抱きついていたであろう。しかし、ひとみはどうしてもできなかった。

「ジャックさん…その左腕…どうしちゃったんですか?」途切れ途切れにそう口にするのが精一杯だった。

 [ No.32 ]


代償

Handle : “JP”ジャック・ドゥ   Date : 2000/05/14(Sun) 02:29
Style : カブト◎、カブトワリ●、バサラ   Aj/Jender : M/26
Post : フリーランス


「腕?」
おびえた表情のひとみを見て、その視線の先が自分の左腕に向いてるのに気づく。
「・・・・・ああ、仕事の関係上どうしても必要になったんだ。」
コートからハンカチを取り出して左腕の血などをぬぐいながら淡々と答える。

「それより・・・・・怪我は無かったか?」

 [ No.33 ]


…こころは?

Handle : ”Dr.Manmachine”機野 ひとみ   Date : 2000/05/15(Mon) 05:58
Style : タタラ=タタラ◎カゼ●   Aj/Jender : 24/F?
Post : 修理業”Dr.Manmachine”


> 「・・・・・ああ、仕事の関係上どうしても必要になったんだ。」
> コートからハンカチを取り出して左腕の血などをぬぐいながら淡々と答える。
> 「それより・・・・・怪我は無かったか?」

「はい…怪我はしてません…。」ひとみから怯えの表情が少しずつ消えていく。つつ、と足が動き。ひとみはジャックに抱きつく。
「とっても…こわかったです…。」ジャックの体は異様に冷たい。
「まさか…体にも?」ひとみは哀しい眼でジャックを見上げる。
あのぬくもりをもう感じられないのかと問うように。
しかしジャックは答えない。

「…こころまで…冷たくなってしまったんですか?」目の端に涙を浮かべ、ひとみはそう言った。

 [ No.34 ]


Masquerade

Handle : “FateLeader”E・D   Date : 2000/05/15(Mon) 13:45
Style : Leggar◎,Kugutsu,Fate●   Aj/Jender : 19/♂
Post : フリーランス


5階建ビルの屋上。兵隊どもが総出で探しているのがわかる。
機野は無関係と判断したのだろうか。煙草に火をつけ、ストリートを見下す。
その間にコートの色を変化させる。顔を軽くなで、骨格を調整。髪と瞳の色を変え、サングラスをはずす。
2秒で別人へとなりかわる。よもや俺だとは気づきはしないだろう。
人間は仮面に惑わされる。仮面でしか本質を図れない。当然、そんなものは歪みきっている。
……俺の場合、本質を悟るのが遅すぎた。自分が一時でも愛されるなど、他ならぬ己自身がありえないと思い込んでいた。
壊れたものはもう元へと戻らない。違う形でやりなおすことは可能だ。ただ、それを許してくれるのだろうか?
風にふかれ、俺はビルをあてどなく移動した。

 [ No.35 ]


目をそむけてはいけないこと?

Handle : “JP”ジャック・ドゥ   Date : 2000/05/15(Mon) 23:48
Style : カブト◎、カブトワリ●、バサラ   Aj/Jender : M/26
Post : フリーランス


「いや、無事ならいいんだ。」
声の調子が安心したものに変わる。

「・・・・・・・・・・済まない。だが、まだ用事があるから詳しい事は後で話す。」
ひとみの哀しげな視線に思わず目をそらしてしまう。

 [ No.36 ]


みつめてほしかったのに

Handle : ”Dr.ManMachine”機野 ひとみ   Date : 2000/05/16(Tue) 16:33
Style : タタラ=タタラ◎カゼ●   Aj/Jender : 24/F?
Post : 修理業”Dr.ManMachine”


「・・・・・・・・・・済まない。だが、まだ用事があるから詳しい事は後で話す。」
ジャックはひとみから目をそらす。
その行為は瞳に決して小さからぬ衝撃を与える。

「…わかりました…。気をつけてくださいね…。」ひとみはうつむいてジャックから離れ、車に戻る。

「みつめてくれれば……。」ハンドルにもたれかかり、ひとみは大粒の涙をこぼす。

 [ No.37 ]


Cry To The Moon

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/05/18(Thu) 23:32
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/Female
Post : 旅行者


「答えはね。結局自分で探すんじゃないかな。誰かに教え
て貰った答えじゃ・・・すぐに忘れちゃうけど。自分で
考えた答えはそう簡単には忘れないでしょう?」
 彼女は握られた手を力強く握り返しながらそう言った。
 その瞳にはほんの少し迷いのエッセンスがあったけれど。
 それが本心だと解る程度にはその瞳には力があって。
 そして・・・
「やっとお目当ての地図を見つけたかな?」
 気付けば大きな看板の前に立っていた。

 [ No.38 ]


Re:Cry To The Moon

Handle : さりな   Date : 2000/05/20(Sat) 09:40
Style : ミストレス=フェイト=マネキン   Aj/Jender : 内緒/女の子
Post : フリーランス(見習い)


>「答えはね、結局自分で探すんじゃないのかな?」
彼女はじっと少女の目を見返している。
「じぶんで………さがす………?」
 少女は女性の目をじっと見つめていた。そして、少し困ったような顔をしてうなずく。
 少女には、彼女の言葉は難しかったのかもしれない。しかし、言葉以上に彼女のかもし出す雰囲気が語っているものは少女に何かを伝えてくれていた。
「見つかるかなぁ?」
 ポツリとつぶやく少女。
 そして、その時………
>「やっとお目当ての地図を見つけたかな」
女性が少女に声をかける。視線を移動させると、そこには大きな地図があった。
 少女の表情が少し明るくなる。そして、うれしそうに女性の方を向いた。
「おねえちゃん、ありがとう」
少女はぺこりと頭を下げた。

 [ No.39 ]


シーク ザ ターゲット

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/05/27(Sat) 00:32
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/Female
Post : 旅行者


「どういたしまして」
 微笑みを浮かべながら少女に丁寧にお辞儀を返す。
 そして、その横にしつらえられたDAKにアクセス。
テーマパーク内の情報をポケットロンに移す。
「これから、迷子に成らないようにちゃんと地図をもとう
ね」
 そういうとポケットロンを一つ。少女に手渡す。使い方
はこの時代の子供なら自然と理解しているだろう。
「さて、これからどうしようか?探しに行く?それともど
こか待ち合わせの場所があるのかな?それと。私はどうし
ようか。一人でも大丈夫なら・・・ここでバイバイだね」
 酷く優しく残酷な言葉。
 そして、答えを求める。
(そーいえば、この子に出会ってから自分で何かを決めて
いないわね。私)
 心の内側だけで大きく溜め息をつく。

 [ No.40 ]


風の心地よい日

Handle : “ラストチェッカー”新原千尋    Date : 2000/06/02(Fri) 03:29
Style : タタラ◎フェイト●マヤカシ   Aj/Jender : 18/♀
Post : 高校生(フリーランス)


「んー、いい感じかも」
 今日は学校も早く終わって部活もない。
 そう思って、ふらりとここに来てしまった。
 試作品の改良で煮詰まった時、辛い時、悲しい時…感情が高ぶった時、私はいつもここに来てそれを置いていくのだ。
「これはこれでありかな、なんて…いいアイディア浮かびそう♪」
 鼻歌を歌いながら、タップを操作し始める。
 そう、目の前にはいつもと変わらぬ風景が並んでる。
 そんな風の心地よいこんな日に突然……
 

 [ No.41 ]


Re:シーク ザ ターゲット

Handle : さりな   Date : 2000/06/26(Mon) 05:16

Post : フリーランス(見習い)


> 「これから、迷子に成らないようにちゃんと地図をもとう
> ね」
>  そういうとポケットロンを一つ。少女に手渡す。使い方
> はこの時代の子供なら自然と理解しているだろう。
> 「さて、これからどうしようか?探しに行く?それともど
> こか待ち合わせの場所があるのかな?それと。私はどうし
> ようか。一人でも大丈夫なら・・・ここでバイバイだね」
「バイバイなの………?」
 少し寂しそうにつぶやき、うつむく。
 ………と、その時、女性が一人駆け寄ってきた。心配で顔がかなり青くなっている。
 女性は、少女の所まで走ってくると、膝に手を当てて数回深呼吸をした。
「ハァ………」
女性を見た少女の顔がぱっと明るくなる。そして、彼女に駆け寄っていくとダッと飛びついた。そして、糸が切れたように泣き始める。
 女性は少女を優しく抱きしめると、目の前にたっている女性をじっと見つめた。そして、深々と頭を下げる。
「どうもありがとうございました」

 [ No.42 ]


The End is・・・

Handle : ”SaintFire”EL   Date : 2000/06/30(Fri) 13:59
Style : カブトワリ◎カブト●カゲ   Aj/Jender : 27/Female
Post : 旅行者


 目のまで泣く。少女。
 それをなだめる母親。
 そして・・・
「どういたしまして。当然の事をしただけですから」
 そう答える。
 自然とすらすらと。
 幼い頃から教え込まれた心得が。今も彼女の心には根付
いている。
「それじゃ、もうお母さんと離ればなれにならないように
ね」
 少女の視線にあわせて座り込み。
 そう言う。
 少女の反応をしばし見守り。
 すっくと立ち上がる。
「それじゃ。私はこれで失礼させていただきます」
 深々と一礼を母娘にする。
(帰ろうか。故郷に)
 彼女の心の中には天空へとそびえ立つ。彼女の故郷の都
市がその姿を煌めかせていた。

 [ No.43 ]


小戦果

Handle : “断罪の光”シド・バーゼル   Date : 2000/07/24(Mon) 00:32
Style : カリスマ◎● カゲ カブトワリ   Aj/Jender : 29/男
Post : 反日組織「大陸解放同盟」委員長


【ランドマークタワー最上階、展望台にて】
(そろそろ時間だな)
シドは時折腕時計に視線をやりながらも、雑然とした下界の光景を悠然と見下ろしていた。
隣に立つ部下がその表情を盗み見て、怪訝な顔をする。
――これから重要な作戦が始まるというのに。
だがシドの心中を支配していたは、全く別の種類の感慨であった。
(この街に暮らす者の恐らく大部分は、力と虚栄を求め、這いずり回り、強者の糧となる……)
その端正な眉を片方ぴくりと動かすと、表情に微かな憂いの色が浮かんだ。
(誰もそれに気付かぬ。気付いても自分は強者になれると信じ、狡猾で貪欲なシステムに荷担する)

部下が小声で一言。
「来たようです」
シドは髪をかき上げ、右目のテレスコープを起動。
……ミナトミライそばの道を行く、黒塗りのリムジンを視認する。
「予定通りだな」
「あと3秒後です」
二人が周囲には聞き取れぬ声で会話した、丁度3秒後。
横浜特別行政区監督官、大宮姫子を乗せたそのリムジンは轟音を上げて爆発した。
黒い煙が上がるのを、早くも展望台の観光客の一人が見つけ、騒ぎ出す。
思わず表情が緩み、何か言わんとした部下を、シドは沈黙と手振りだけで制する。
この程度、成果のうちには入らないと言いたげに。
「後は任せた」
やや不機嫌な固い表情のまま、シドは足早にその場を後にする。
一文字に結ばれた唇からは、溜息のような呟きが漏れる。
「この程度では……何も変わらないのだよ……」
そう、あのお飾り程度の監督官が消えても、この街を、いや世界を支配する構造に変化などあり得ない。
この欲望の街は明日も、その先も動き続ける。シドは道のりの遠きを痛切に感じる。
そしてテロリストの姿は、地上直通の高速エレベーターへと消えた。

【シド・バーゼル、退場】

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/6239/nova/casts/sid.html [ No.44 ]


瞳の先に、見えるのは

Handle : “風声”手末 調   Date : 2000/09/23(Sat) 01:34
Style : Fate◎ Chakra Neuro●   Aj/Jender : 25,Male
Post : 手末探偵事務所:所長




……………………まぶしい。
そう思って、大して意識せずに瞳を開く。
やわらかな光と、のどかな景色が広がっていた。
何の変哲もない光景――全てが逆転さえしていなければ。
「…………………………………………」
その景色を見つめて、一つ息をついて頭を起こす。
途端に景色の逆転は戻り、節々が体内でイヤな音を立てていた。
鬱陶しいほど長い髪に微かに悪態をついて、かき分けながら思考を巡らせる。
(…………え〜〜〜と…………)
ベンチに寄りかかるように座って、上半身をほとんどのけぞらせて眠っていた
こととか、そろそろ靴の減り方が心配だとか、浮かんでくる他愛ない考えをまず
一時保留しておいて、意識が閉じる前の記憶を思い浮かべる。
………………とりあえず、自分の意志とは無関係にこの場所に来たことを否定できた。
確かかなり酒を飲んで、路地裏で腹の中の物をぶちまけた後に血気盛んな若者達に声を
掛けられ、「教育的指導」をしたところまで覚えている。
おそらくその後、この公園で座ったこの姿勢のまま眠りこけてしまったのだろう。
懐から煙草を出しつつ、簡単に身体チェックをする。
盗られた物はない。もっとも、眠っていても気配を感知できるように訓練はしている
から、あくまで確認のため、という意味合いでのものだが。
それでも多少安堵の色を含んだ息を一つついて、くしゃくしゃの煙草をくわえる。
音と共に硝煙に近い香りを吹いて灯るマッチ棒を、軽く振って無造作に捨てた。
馴染んだ味が、身体の中にしみわたっていく。
「…………………………………………」
目の前には、昼間の公園ならではの平和な光景が広がっている。
こんな陽射しと、空気。穏やかな時間が一番好きだった。
けれど憧れようと真似ようと、けして手にできないこともわかっている。
……………………諦めるつもりはないけれど。
少しだけ唇の端が歪み、本人も意識しないうちに表情を形作る。
不敵な、闇と光を包んだ微かな笑みを。

すっかり短くなってしまった煙草に気がついて、スーツジャケットを片手に立ち上がる。
公園から出る直前にもう一度だけその光の風景を眩しげに見つめていた。
………………大切なモノ
………………手に入れたいモノ
………………護りたいモノ
自分に関わる人物と、仕事に関わる人物と、立ちふさがる壁の向こうにいる人物と……
様々な顔がその平和な光の中に浮かんできて、瞳を細めて、笑う。
――――――――後悔させてやる。
自分を巻き込んだことを。巻き込む原因を造ったことを。
そう声に出さず呟いて、笑う。
しばらくその光景を目に焼き付けるように眺めていたが、不意に背中を向けて歩き出した。
動きに合わせて髪が流れ、手が何かを無造作に投げ捨てる。
……煙草がちゃんと灰皿に捨てられたのか、彼は確認しなかった。


【手末 調  退場】



http://plaza.across.or.jp/~ranal/master_nova/mituki_nova.html [ No.45 ]


the Sound of Carnival

Handle : 祠門怜人   Date : 2001/02/06(Tue) 22:15
Style : フェイト◎・ニューロ・マヤカシ●   Aj/Jender : 男性
Post : 聖フランチェスコ教会神父:「小さき兄弟会」所属



 曇天の表面を淡い陽光が撫でている。水気を含んだ
金色は優しくて、電子の網が幾重にも張り付いたのこの
街も穏やかに清められたようだった。
 唇が賛美歌のかたちを取るのを感じた。
 コートが旗のように波打つ。慌てて、整えた筈の
背広と髪を押さえる・・瞬間、賛美歌は滑稽なパントマイムな
BGMに変化した。片手に抱えた、カンバスは震えている。
 ざあ、と風が空より降りた。また雲の青みが増した気がする。教会を出る前は、十字架の上に掛かるは昏い灰色の雲
だったのに。

 自分よりも遥かに手馴れた顔で、恋人たちが脇を通る。
他愛の無い会話が耳の上を撫でた。
 二人の愉しげな雰囲気が心に届き、少し落ち着いた。
他者たちの心に聡い能力は、今でも揺らぎは失わない。
それどころか、一層敏感になっているようだった。

 頭のリボンに触れたまま、祠門は溜息を付いた。
空を仰ぐと、白い鳩が一羽羽ばたいていた。
 目が、自然と閉じられた。先ほど収まった筈の心の
轟が、また湧き出していく。
 不安と、惑いと・・それ全て覆うくらいの喜び。沸き立ち。
 機械と人いきれと、全ての底に流れる汐の流れ。あの人が住む所にまで、微かに届けられていた。
 N◎VAとは、器が等しいながら内にたゆたうものが
僅かに異なる。バーで見る、他人の杯の中の酒のように。
 分かるのは、あの人が羽を休めるところとして選んだ街は
人々の吐息が一層濃密な場所だったということだ。

 遠くある筈の大地を思わせる肌、波打つ髪、
生きることの喜びを知りながら、静かに輝く瞳。

 その人の存在はここにあるのだという、当然過ぎる
実感。その実感さえ心を波打たせてた。
 祈りの詞を捧げる時の、静かな安らぎとも違う感触だった。

 −約束は聞いてくれただろうか。
 キャンセルなどはしない人だとは十二分に知っているのだが
、それでも根源的とも呼べる不安は消えはしない。
 シャツの下に収めた十字架に触れようとして、その指は止まった。記憶の底、微かに囁いたものがあった。

 幼い頃、父と母に連れられて、一度だけ公園に立ち寄って
いたことを思い出した。その時、公園には、大道芸人たちの
小さな祭りが開かれていた。
 目の前に流れる時全てが輝いて見えた。全てを取りこぼさず
、忘れないように想いでに刻んで置きたかった。
 何故だろうか。今は想い出に残そうとした気持ちだけが形骸
となって、浮かんでいる。

 祠門は頭を振った。腕の時計を見る。
後僅か・・数分の間だというのに、日が暮れて上る月を
見ているような感覚の長さだった。
 白い布に丁寧に包んだカンバスの上にも、陽光は宿ってい
る。

 またコートが鳴る。痩せた長身を一つの影のように
させながら、祠門は、空を眺めていた。


 

 [ No.46 ]


きゅ〜…。

Handle : ”うさ”U−3a   Date : 2001/02/22(Thu) 14:43
Style : マネキン◎ヒルコ●カブキ   Aj/Jender : 10歳くらい?/F
Post : フリーランス


その日の朝。
『ちゃんと時間には迎えに来るから、いい子にしているのだよ。』彼女の”ぱぱ”はそう言って”うさ”を知人に預け、仕事に向かった。

「きゅ〜…。」”うさ”は寂しそうに”ぱぱ”を見送る。一緒に行きたいと”うさ”は思っていたが、”ぱぱ”の邪魔をしてはいけないと思い、おとなしく帰りを待つことにした。

”ぱぱ”の知人は”うさ”を公園に連れてきてくれた。
”うさ”はちょこちょこと歩き回り、物珍しそうにあちこちを見て回る。そして。

ふと気づくと一人きりになっていた。どうやらいつのまにかはぐれてしまったらしい。
「きゅ〜…。」”うさ”はぽつん、と立ち尽くす。
『迷子になったと思ったら、周りから見やすい場所にいなさい。ちゃんとさがしてあげるから。それから、決して知らない人について行ってはいけないよ。』
”うさ”は以前迷子になったときに”ぱぱ”に言われた事を思い出した。
「きゅ〜…。」”うさ”は見晴らしの良い場所にあるベンチに縮こまるように座った。
「ぱぱ…。」”うさ”の大きな瞳から涙がぽろり、とこぼれる。

 [ No.47 ]


さまよえる舟

Handle : 祠門怜人   Date : 2001/02/28(Wed) 21:37
Style : フェイト◎・ニューロ・マヤカシ●   Aj/Jender : 男性
Post : 聖フランチェスコ教会神父:「小さき兄弟会」所属


待ち人来たらず。
古い言葉を思い出す。

 時計を覗くと、秒針が微かに動いている。
 三分・・ええと、スープが温まる時間だ。この
公園に入って、海が見える場所まで来るのは、この
三倍掛かっている。普段なら、忘れ去るくらいの時
だ。
 僕の足は埋もれた磔刑の木のように固まっていた。
みぞおちの辺りが重くうねるのを感じ、全身でその
人を待ちつづけていることを知る。不安の影がじわじわ
と足から上がってきている。
 
 御主よ、身の内のこの些細な恐れと乾きを−小さな?
今の僕は押しつぶされそうだ。
 御主よ、陸を探すさ迷える舟である私をお許しください。
多分見えたら、一瞬に不安は消えるのです。でも。

 祈りの言葉が絶えた。
 何故か先に耳に入ったのは、医者鞄の中の薬品の歌声だった。

 

 [ No.48 ]


[ Non Title ]

Handle : 祠門怜人   Date : 2001/03/16(Fri) 23:30
Style : フェイト◎・ニューロ・マヤカシ●   Aj/Jender : 男性
Post : 聖フランチェスコ教会神父:「小さき兄弟会」所属




**
「まるで、デートみたいですわね。あら……デート、だったかしら?」
 我ながら意地の悪いことを、そう思いながらも、くすくす笑いが止められない。自分の中に
まだ残っていたそんな若さ、この山下公園を吹きぬける快い風、そして何より、祠門さんと歩
いていること。その全てが、わたくしの心を浮き立たせる。片時も手放さない医師鞄の重みすらも、
わたくしをこの地上にとどめるには軽すぎる。
**

 隣で笑顔が零れている。それ自体光の粒が落ちるようで
眩しかった。
 それまで、どれ程自分で作り上げた暗い牢獄の中に
閉じこもっていたのだろうと思う。自ら足を屈して。
 格子からの光ばかりを望んで、祈ってばかりで。
 軽やかなステップに、遅れないよう歩みを速める。
罪人の影は、いつも心の中に落ちている。
 でも、その反対で、僕はこの人の前では、同じように
笑顔を見せていたいと、そう願っているのだ。

 [ No.49 ]


おむかえ

Handle : ”うさ”U−3a   Date : 2001/03/27(Tue) 07:03
Style : マネキン◎ヒルコ●カブキ   Aj/Jender : 10歳くらい?/F
Post : フリーランス


「きゅ〜…。」ぐすぐすと泣きながらベンチにすわったままの”うさ”。その目の前を一機の飛行船が横切る。
「ぱぱ…。」”うさ”がその飛行船を見てぽつりとつぶやくと、それを聞いたかのように飛行船が進路を変える。
「きゅ?」小首を傾げる”うさ”。飛行船はどんどん近づいてくる。やがて、うさの真上近くまで来て今度はゆっくりと降りてくる。
「きゅ〜?」うさは何が起こったかわからずびっくりしている。その間にも飛行船はどんどん降りてきて、地上から5mほどの高さで静止する。すると、コクピット脇の扉から縄梯子が出され、一人の男がするすると降りてきた。
その男は灰色でロップイヤーのウサギ頭をしていて、飛行船会社のジャンパーを着ていた。
「”うさ”、心配したよ。連絡が来て、慌てて捜した。航路の上にいてよかったよ。」彼は微笑する。
「…ぱぱ!」”うさ”は彼…”ノースロップ”にとびつき、しがみつくように抱きつく。
「ちゃんと言うことを守っていたようだね…。さあ、行こう。しっかり掴まっているのだよ。」”ノースロップ”は抱きついている”うさ”を背負うようにする。
「きゅ!」先ほどまでの泣き顔が嘘のように”うさ”はにこにこしている。

しばらくの後。飛行船は飛び立ち、航路に戻っていった。

 [ No.50 ]


日常の価値

Handle : ブレイド   Date : 2001/03/27(Tue) 15:51
Style : カタナ◎,カブトワリ●,カゲ   Aj/Jender : 不明/不明
Post : フリーランス


ベンチに座って、ぼーっと前を見る。仲の良さそうなカップルが通り過ぎていく。彼らには当たり前の日常なのだろう。しかし私には非日常なことだ。血と硝煙にまみれた日々、いかに美しく『殺す』かを
考える日々、それが私の日常。「今さら後悔してるのもおかしいけどね・・・・」自嘲気味に笑った。


 [ No.51 ]


回想

Handle : ブレイド   Date : 2001/03/28(Wed) 20:24
Style : カタナ◎,カブトワリ●,カゲ   Aj/Jender : 不明/不明
Post : フリーランス


ぼんやりと空を見上げているとふと昔の事を思い出した。まだ私が駆け出しだった頃一人の女を殺したときの事だ。その女に妙な余裕を感じた。「死ぬ のが怖くないのか?」女は笑う「怖くないわ。どうせ遅いか早いかの違いでしょ?関係ないわ。せいぜい後は美しいかそうでないかの違いかしら」「美しい?」 「そう、助かりもしないのに醜くあがいて命乞いするのと潔く己の敗北を認め死を迎えるのとどちらが美しい?死に際位美しいほうがいいわ」呆然と見ている私 に向かって女は言った「それともあなたが私を美しく殺してくれるのかしら?」おそらくこの時から私は変わったのだろう・・・・・・

 [ No.52 ]



Handle : “カードディーラー”   Date : 2001/04/18(Wed) 12:04
Style : Kabuki=Kabuki◎●、Fate   Aj/Jender : 20代?/♂
Post : 不明


その男は芝生の上に座り、一組のカードを弄んでいた。
そこには「立ち入り禁止」と書かれた立て札が、すぐ隣に立てられていたのだが、男は全く気にしていない様子だった。
――あるいは立て札の言うことに反発して、わざとそこに座っているのかもしれないが。

男はさんざん時間を費やしてシャッフルしたカードから、無造作に一枚引き抜いて、芝生の上に置く。
「ふむ、『ニューロ』の逆位置か」

その結果に大して感慨を抱く風でもなく、彼はそのカードを山に戻し再びシャッフルを始めた。

 [ No.53 ]


闇を纏うもの

Handle : ゛ナイトシェイド”ルーファンス   Date : 2001/08/21(Tue) 23:11
Style : Kabuki、Katana●、Kage◎   Aj/Jender : 25/男
Post : 聖コアート孤児施設神父


−−−LUSTスラム・廃ビルの屋上・AM3:00−−−
ビルの屋上の上から、下でおこる『イヌ』と『聖職者』の戦いを眺める、黒ずくめの神父
『氷の静謐の腕でも落ちたのでしょうか、あの程度のイヌを殺せないとはね〜』
男は、何もしない、ただ闇を纏って傍観するだけ、片手に降魔刀を握りながら…

 [ No.55 ]


白き翼

Handle : “Night Shade”ルーファンス   Date : 2001/09/27(Thu) 02:55
Style : Kabuki、Katana●、Kage◎   Aj/Jender : 男/25
Post : (現在の正式な所属不明)真教神父


AM8:50
真教カテドラル内のとある小部屋

男が一人机に座り、過去の資料をあさっている。
今、カテドラル内では午前のミサの最中だ、人がここに現れる心配は無い。
男が行っている行為は、戒律を破る物、その行為が周りに知られることとなれば彼はその命を失うことになる。

『みつけた…やはり』
男の微かにもらした声が、小さな部屋に響く。

『あの少年を連れてきた女…やはり…あの女か…』呟き、てきぱきと資料を、もとにしまっていく。
そしてあらかた片付け終わってから、少し考え込んで…
『BHに、これを話すことはできないな…、そして、教会の力を頼るわけにもいかない…私の力だけで動かねばな…』

男が、扉を開き、するりと抜け出していく。
後に残るは、さわやかな賛美歌の声と、暗い教会の過去を記した、古めかしいファイルの山。

 [ No.61 ]


Scenes from LU$T2XXX1024

Handle : "Godess of Voice"Kyrja Norton   Date : 2001/10/24(Wed) 01:18
Style : Charisma◎ Hilander● Manekin   Aj/Jender : 18/Female
Post : ロックバンド"Cosmic Forge"


----LU$Tミナトミライ・ランドマークタワー22---

ビジネスマン、観光客などが行き交いする界隈に
大人になりつつある年頃の娘が二人。
一人は、顔立ちは端正な日本人。ミニスカートとジャケットで軽い着こなし。歩くたびにポニーテールが踊り出す。
もう一人は金髪碧眼の異郷の娘。着慣れたナイトドレスに風を纏わせ颯爽と歩きだす。

「ねえ、キュリア。”蒼い月”の歌詞はできた?」
「ううん、題名もありきたりなんでどうしようかなあなんて。」
「まぁた?あんたのその癖も飽きたけど今回はどうよ、記録更新じゃない。そんな悩むんだったらどっかできりつけなよ。」
「まだよ。LU$Tの月を見ていないわ。」
「はぁ...こだわるねぇ。どこだって月は一緒じゃない?」
「チッ チッ...Murasaki。レッスン1。私はただインスピレーションを探しに来た訳じゃないのよ。歌は自分の心。本気で悩んだ末にだしたものでなければ 歌い手の方がその歌に殺されるだけよ。...美しいとされるLU$Tの月を是非とも私のもの....私の歌にしたい。だから、私はここに来た。みんなに内 緒でね。」
「たいそうなこと言って。第一が買い物じゃなかったの?」
「あなたはそうなんでしょ?じゃ、いいじゃない?」
「...このええかっこしぃ」

http://homepage1.nifty.com/leif/ [ No.62 ]


a song for... -the world-

Handle : ”CAMELIA”ミシェル ブランシェ   Date : 2001/10/26(Fri) 22:56
Style : ミストレス◎、マヤカシ、マヤカシ   Aj/Jender : 20/female
Post : not specified


静けさの帳の中、祈りを積み上げながら歩く女性が居る。

no one l;ies heavy.

誰も死ぬことがない用にと、そっと、小さな精霊や偶然通りがかった幸運たちと手を携え、歌う。奇跡を叶えるための歌を……。

all hand? sing along together for the tomorrow.

 [ No.63 ]


6月へ続く空

Handle : “GREAT HOUND”天津 元一郎   Date : 2002/05/29(Wed) 00:32
Style : Inu◎,Kabuto●,Chakura   Aj/Jender : 27/男
Post : BH機動捜査課/結婚予定の新郎


 ある晴れた春の日曜。
 元一郎はヤマシタ公園を、家路に向かって歩いていた。
 その手には、さっき行ってきたブライダル・ハウスでもらったカタログやなんやら…とくにウェディングドレスのホロ・データは大事・・・が握られていた。
 (アイツきっと喜ぶだろうな・・・)
 笑顔を想像するだけで、顔がにへら〜としてしまう。
 (おっとポーカーフェイス。幸せをかみ締めるって奴だ)
 
 元一郎は歩きながら空を見上げる。
 (こーいうのが、人並みの幸せなんだなぁ・・・)
 普通の人生では得られない何かを得ようと、必死であがいてきた日々。
 自分の心の穴を埋めようと、巨大な何かになろうと、常に飢えていた想い。
 そのすべてを、あっさりと捨ててしまったとき、等身大の自分に気づき、幸せということの意味を悟った。
 
 元一郎は元一郎のままだった。
 だが、彼の心は、6月に続くこの青い空のように澄み切っていた。
 

 [ No.64 ]


新春の風に吹かれて

Handle : 木元 渉   Date : 2003/01/09(Thu) 17:37
Style : ミストレス● ハイランダー ニューロ◎   Aj/Jender : 14/♂
Post : アジアンバー“ティムタム”の店長の息子


「久しぶりの外出もいいもんだなぁ」

いつもなら自分の父の店の自分で勝手に決めた指定席に座ってイントロンをする時間。何の気まぐれかヤマシタ公園に向かいひとり歩く。

何かを期待できるように何かをする。
自分の中の動かない何かを動かすため、いつの間にか公園に向かって駆け出していた。

 [ No.65 ]


闇を見る

Handle : “狂狼”救世 現時朗   Date : 2003/01/09(Thu) 23:35
Style : カリスマ◎ イヌ● クロマク   Aj/Jender : 40/♂
Post : 弁護士(元検察官)


 晴天の空の下,光あふれる健全で平和なストリート。
 笑ってしまうほどののどかなひと時。
 目だけが異様に鋭いその男は,“普通の”人であれば,見ても見ないことにする。路地の奥などを注視する。
 その視線の先で行われる悪徳を心に刻み付けるために。
 ソレを見つけても取り締まりはしない・・・彼はイヌではないから。
 ただ・・・心に刻み付ける。それが彼の生きる糧なのだから・・・。
 

 [ No.66 ]


充足と飢え

Handle : “狂狼”救世 現時朗   Date : 2003/01/14(Tue) 22:09
Style : カリスマ◎ イヌ● クロマク   Aj/Jender : 40/♂
Post : 弁護士(元検察官)


 幸せそうな声を聞きつく,救世は満足げに微笑み,その場を去る。さらなる悪徳への憎しみを掻き立てるために。
【退場】

 [ No.67 ]


今にも落ちてきそうな空の下で

Handle : “S.O.S.”レヴィ・ストロークス   Date : 2003/01/17(Fri) 16:45
Style : トーキー◎ ミストレス● バサラ   Aj/Jender : 28/♀
Post : フリーカメラマン


 ヤマシタ公園。
 海に面したその公園で、レヴィはベンチに腰を降ろして空を見上げていた。
 冬の晴れ渡った空には雲ひとつなく、無限の広がりを感じさせる青色に吸い込まれそうな気分になる。

 カメラマンとして、その光景をフィルムにおさめたい気持ちはあるが、切り取られたそれは決して今の思いをそのまま伝えるものではない事を彼女は知っている。あるものをありのままに伝えるのがカメラマンの仕事ではないのだ。

(私は何を伝えたいのかしらね、……今の私は)

 目を閉じると浮かぶ光景はある。しかしそれを自分はどうしたいのか。
 まだ、その結論は出ていない。

(今は、まだその答えは出したくないわね……)

 忘れたいわけではない。その時の思いを忘れないために、この作り物の右腕がある。ただ、今はしばし休んでいたいのだ。いつか来るその時に備えて。

「さて、と……」

 次の仕事までまだ少し時間がある。

「もう少し歩きまわってみようかしら」

 とりあえずレヴィは公園を散策する事にしてベンチを後にした。

 [ No.68 ]


【ヤマシタ公園:大寒の空の下で】

Handle : レオン・マルキア・ミカゲ   Date : 2003/01/21(Tue) 06:34
Style : カゲ チャクラ◎ ハイランダー●   Aj/Jender : 20/♀
Post : 神影流LU$T支部師範



レオン・マルキアは、いつもどおりヤマシタ公園の芝生の上で昼寝をしていた。
「昨日は天候が崩れてたけど今日は晴れていて良い天気だね。日向ぼっこができる状態で助かったよ」
近くの屋台で購入した磯辺焼を寝転びながら食べて、そう呟く。
「そういえば道場じゃ大寒だからって寒稽古やるって言ってたな。かったるいから抜け出したが……」
一瞬間をおいてニヤッと意地悪そうに微笑んで。
「まっ、アタシがいなくても残った連中が上手くやるだろうさ」
「さてと、食べ終わったし本の続きでも読むか」
そう言うと磯辺焼で汚れた指を舐めてから読書を始めるのだった。

 [ No.69 ]


放浪の男

Handle : 七ツ目   Date : 2003/01/25(Sat) 02:19
Style : チャクラ◎ チャクラ● チャクラ   Aj/Jender : 31/♂
Post : 何でも屋


今日は寒いな。
七ツ目はそんなことを考えながら、ヤマシタ公園のベンチにだらりと寝転がっていた。横になれば岸沿いにきらびやかな夜景が見える。手前に見えるのがベイブリッジというらしい、とさっき歩いていたカップルの話から知った。

ベタな旅行広告にある『ようこそ常春の街トーキョーN◎VAへ』とはよく言ったもので、あの街では七ツ目が作務衣一丁で暮らすことが可能だった。
だからそのすぐ隣にあるLU$Tも同じだろうと思っていたのだが、より海に近いせいか、冷え方が違った。元々どの街に行ってもこの姿で通そうということ自体間違っている、ともいえる。
首から上も服同様に見てくれはいいとは言えない。安易な表現をしてしまえば、ぼさぼさの不精である。髪が硬質で太めなので整髪剤を使わなくてもそれなりに立つ。顔つきはやせ気味だが貧弱な印象はない。むしろ、どことなく力強さがある。
──それは、頭以外の部位にも言えた。
彼が何者か、と問われれば、俗にチャクラと呼ばれる人種である。
むやみに身体能力が発達している。しかしそれだけである。
金を稼ぐ力も金を儲ける力も金を貢がせる力もない。
要するに金には縁がない。

N◎VAで懇意にしていたクロマクからもついに金策を断られ、七ツ目はなけなしの金をかき集めてこの街に来た。深い理由はないが、N◎VAでは食えないと思ったからだ。

「失敗だったかな」

まだ何もしていないのに、そんなことを考えてしまう。
風が気持ちいい。この夜景を眺めながら、とりあえず今日は眠ろう、と七ツ目は思った。

http://cat.zero.ad.jp/~zak32077/ [ No.70 ]


ふらりふらりと

Handle : ジュディア   Date : 2003/01/28(Tue) 23:18
Style : カゼ◎ ミストレス● カリスマ   Aj/Jender : 20/♀
Post : 暴走族


「へえぇ〜。
 結構カップルばっかりってわけじゃないんだあ。
 でも結構人多いしぃ。
 集会に使うのはやーめといたほうがいいよねぇ〜」

 まるでシンナーあたりでラリっているかのような半目半口の表情で、片耳につけたイヤホンからポップスを垂れ流しつつ、のたりのたりと公園を歩く。

「あれぇ?
 アタシ、何しに来たんだっけ?
 でぇもココ潮くっさ。
 きっとカップルできてもさぁ、ヤローの股間がイカ臭くっても気が付かないんだぜ? きゃははははははっ。
 笑えよ」

 突然通行人に額を押しつけて睨み付ける。

 [ No.71 ]


【ヤマシタ公園:冷やかし?】

Handle : レオン・マルキア・ミカゲ   Date : 2003/01/29(Wed) 06:24
Style : カゲ チャクラ◎ ハイランダー●   Aj/Jender : 20/♀
Post : 神影流LU$T支部師範


気持ち良く昼寝をしていると、向こうが何やら騒がしい。
少し気になったので、ぐるりと首を回して見てみる。
「…………なんだ? あのちと足取りが怪しいやつは一発きめてハイになってるのかね?」
格好から推測すると、どうも族らしい。
まあ、騒動を起こすような感じではなさそうだが。
(どこのチームかねぇ。ヨコハマルシファーってわけじゃないみたいだけどさ)

 [ No.72 ]


【ヤマシタ公園】

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/02/02(Sun) 21:34
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


(治安のいい地区は心地が良い。)
 石目夷吟はゆっくりと伸びをした。
(私自身こういう場所のほうがあっているな)
 無警戒にゆっくりと歩く,歩いていると前方の方で騒ぎが起きている。
(喧嘩だろうか?あー嫌だ嫌だ厄介事は嫌だ)
 石目はそう思いつつも野次馬に加わった。

 [ No.73 ]


[ Non Title ]

Handle : “抜け道屋”燕 ユウジ   Date : 2003/02/08(Sat) 13:35
Style : カゼ◎ レッガー ニューロ●   Aj/Jender : 18/♂
Post : フリーランス/抜け道屋


(うわ…何かからまれてるよ)
その日も、当然のように学校をエクソダスしていたユウジは、
口いっぱいに詰め込んだハンバーガーを頬張りながら、
その騒ぎをすぐ近くのベンチから眺めていた。
(何だかなぁ…。)

いつもの陽気にいつもの人通り。
日常となんら変わることのない、そんな公園の一コマ。
(まぁ…こんな騒ぎもいつものことか)
目の前では、何だか危なそうなヤツが、通行人に絡んでいた。

(……やれやれ。これは止めに入ったほうがいいかなぁ)
何だか野次馬まで集まってきたし。何より食事と休息の邪魔だ。
ユウジは飲みかけのコーラを飲み干すと、横のゴミ箱に投げ込ん
でゆっくりと立ち上がった。

「まぁまぁ、落ち着きなよお姉さん」

 [ No.74 ]


垣間見える夜

Handle : 平凡(?)なカップル   Date : 2003/02/09(Sun) 04:26
Style : マネキン◎ ― アヤカシ●   Aj/Jender : 20代前半の男女
Post : 背景(笑)


「何だこりゃ? 海草のカタマリか? …踊ってるニンゲン…に見えなくもないな」
 公園の広場に置かれたオブジェ。それをぼーっと眺める男のもとに、女が駆け寄ってゆく。
この海草(?)の前で待ち合わせていたカップルのようだ。
「ご、ごめん。遅れちゃった」
「や、そんなに待ってないし。…ん、なんかあった?」
「え?…あっ」
 気遣わしげに曇った男の視線の先、女の襟元に、小さな血のシミがついている。
「あ〜、もうサイアク…」
「…ハナヂ? エッチなコトでも考えた?」
 女の雰囲気が軽かったからだろう。少し安心した男が軽口を叩いた。
「ちがうって。ちょっとココに来る途中でチカンに襲われたの」
「ふーん。 ………ぇ?」


 あっという間に路地裏まで連れ込まれた。
いや、実際には悲鳴をあげる間すらなったのだが、たとえ目撃者が増やせたところで、誰かが助けに来てくれる…という事も無かったかもしれない。
 その男は、巨大な右腕一本で女のウエストを、まるで棒でも握るかのようにつかんでいた。
もはやそれはベーシックフレームなどという生易しいものではなく、実はウオーカーの腕つけてますと言われても疑いはしなかっただろう。
おそらくは全身の骨格も強化しているのに違いない。
 …コイツ、このナリで普段どーやって生活してるんだろ?
などと、わりと冷静に考えてしまい、さらにこのままだと、彼の生活の一端(資金調達方法とか、性欲処理の仕方だとか)を、身をもって体験させられるコトに思い至ったりして、女は一気にブルーになった。
 男が、息がかかるほどに顔を寄せてくる。
「はあぁぁぁ…あ、安心しな。カ、カネを巻き上げたりスケベぇな、コトしようってんじゃ、ね、ねぇから」
されてたまるか。とは思ったが、とりあえず口には出さなかった。
どうやら強盗やチカンでは無さそうだ。…かといって紳士でもないのは明らかだったが。
「た、ただちょっと、…ノ、ノドが乾いちまってなあぁぁぁぁ」
…体験できるのは、食生活だったらしい。男の唇の間から、セラミックス製の乱杭歯がこぼれている。
ウンザリしきった表情で、女が呟く。
「…なにそれ。ひょっとして吸血鬼にでもなったつもり? だいたい吸血鬼が昼間っから出歩いてんじゃないわよ」
「あが?」
男の顔が訝しげに歪む。別段女の強気に押された、という訳でもない。が…
「…おろして」
…言われるままに、女を地面に下ろしてしまう。
「…ここ1月、どんなモノ食べてる? まさか血だけってワケでもないでしょ?」
脈絡のない質問。しかし男は、それに素直に答えるしかなかった。
「え、えーと、ジャンクフードと、お、オンナの肉…」
「…ドラックは?」
「さ、最近お金な、なくて…脳ミソでガマンしてます」
…イカレてるのは、「フリ」というわけではなかったらしい。
心底呆れかえった、というふうに、女が言葉を続ける。
「…ま、いいわ。さ、屈んで、首、こっちに向けて」
「あぃ」
言われるままに首筋を差し出しながらも、男は女の唇から目が離せないことに気付いた。
いや、最初からそこだけを見ていたのかもしれない。
その、薄く開いた、やけに赤く艶かしい唇の、…真っ白い牙の奥。
自分の首筋に迫る、女の口の中。
…男は見た。夜の闇のようなのそ奥に、赤く光る“目”が…
「…昼間はで、出歩かないんじゃ…」
「おだまり」


「…そこでワタシのコークスクリュウが炸裂! ソイツはハナヂを撒き散らしながらふっとんでったのよっ」
「ははぁ、…つまりソレは、返り血?」
「そそ。いゃ〜、見せたかったねぇ、その瞬間」
「ふ〜ん。…じゃ、先ずはドコいこっか?」
男の気の無い返事に、思わずガクっとなる女。
「なによそれ〜、もう」
少しスネて見せる。が、男が自分の身に危害がなかった事に安心しているのが判っていたので、女のほうも軽く流した。
「ん、温かいコーヒーとか飲みたいかも。ちょっと潮風冷たいし」
「あ、それなら。気の利いた店知ってる」

 女の口元の血臭は、潮の香りのせいで気付かれることは無かった。
この後コーヒーでも飲んでしまえば、例え男と唇を重ねてもばれないだろう。
そして…

(…カップル、退場)

 [ No.75 ]


【ヤマシタ公園:物好きさん】

Handle : レオン・マルキア・ミカゲ   Date : 2003/02/09(Sun) 12:30
Style : カゲ チャクラ◎ ハイランダー●   Aj/Jender : 20/♀
Post : 神影流LU$T支部師範


高校生か大学生の少年というか青年が、族の姐さんにお節介を焼き始めていた。
「……物好きだねぇ。あの手合いは構わなきゃ、そのうちどっかに行くだろうにさ」
トラブルになることを期待しながら、より見易いように身を起こす。
「まっ、せいぜい殴り合いの喧嘩程度だろうから、高みの見物で良いだろうよ」

(それにしても野次馬が増えてきたな。お犬様が駆けつけて来て、せっかくのイベントに水を差すことにならなきゃ良いんだがね)

 [ No.76 ]


【撤収・・・】

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/02/09(Sun) 23:27
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


 人ごみは徐々に大きくなり始めていた。
(火事と喧嘩はエドの華・・・LU$Tでも喧嘩は面白い見世物なのかな・・・いやしかし,喧嘩にすらなっていないしな・・・)
 思いのほか見物人が集まりすぎている・・・野次馬の一人としてこれは良くない,面白くない・・・。
 後ろから誰かが小突く。
「見えねぇゾ!」
「押すな,ボケナス!!」
 野次馬同士の喧嘩が今にも起きそうだ・・・。
 このまま野次馬の中にいることを危険と判断した石目は逃げ出せるうちにと野次馬の中から抜け出し,公園をほうほうの体で後にした。

 [ No.77 ]


『ヤマシタ公園:「日向ぼっこは別の場所で」』

Handle : レオン・マルキア・ミカゲ   Date : 2003/02/14(Fri) 20:52
Style : カゲ チャクラ◎ ハイランダー●   Aj/Jender : 20/♀
Post : 神影流LU$T支部師範


野次馬は加速度的に増え、少々身を起こした程度では見物するのがキツくなり始めていた。
マルキアには群集に割って入ってまで見たいという気はさらさらない。
「うるさくなってきて気分好く過ごすのは難しくなってきたねぇ。“港の見える丘公園”にでも移るか」
苦笑い混じりにそう呟くと、出口の方向へ歩き出すのだった……。


【レオン・マルキア 退場】

 [ No.78 ]


「あれ…?何だか騒ぎが大きくなりすぎ…?」

Handle : “抜け道屋”燕 ユウジ   Date : 2003/02/17(Mon) 18:53
Style : カゼ◎ レッガー ニューロ●   Aj/Jender : 18/♂
Post : フリーランス/抜け道屋


「うあぁ〜…。こりゃぁちょっと…」
ユウジは微苦笑まじりに周囲を見渡した。ものの数秒かそこらで、自分と族の姉さん、それと絡まれていた青年の3人は、数十人はいるかと思われる野次馬の輪に取り囲まれていた。輪の外側でも、何やら騒ぎがおき始めていた。
「ははは…。これじゃ動物園だなぁ。まったく何を期待してんだか…。どうネエさん、落ち着いた?」
さすがにこれ以上はマズイ。誰が通報したのか…人ごみを押し分けようと、制服の警官が駆けつけたようだ。
(ん?オマワリサンのご到着か…。まずいなぁ。知らない人だよ…学校サボってんのばれちゃうって…)
「なぁネエさん、そろそろ逃げない?お互い捕まるのはマズイっしょ」
ユウジは自分の制服をつまんでみせる。これから学校に戻る気にもならなければ、保護者面談もできれば遠慮したい。

「さぁてと…。そんじゃぁ…………逃げますか?」

 [ No.79 ]


Re:「あれ…?何だか騒ぎが大きくなりすぎ…?」

Handle : ジュディア   Date : 2003/02/19(Wed) 00:36
Style : カゼ◎ ミストレス● カリスマ   Aj/Jender : 20/♀
Post : 暴走族


 からんでいた青年の胸倉をつかんだまま、しばらく逆にやじうまのほうをへらへらと見回していたが、さすがに近づいてくるイヌに気がつく。

「たーしーかーにーそーおーねーぇ。捕まるのはヤッバイわよねぇ。
 あ、でも、ちょっと待って」

 警官にひらひらと手を振ってから、その振っていた手でおもむろに捕まえていた青年をぶん殴る。

「さ、逃げよっ」

 ユウジの腕にぴょん、と抱き着く。

 [ No.80 ]


私じゃないですよーっっ!

Handle : 象が踏んでも壊れない°ヒ生 えり   Date : 2003/02/20(Thu) 14:53
Style : トーキー◎ チャクラ カブキ●   Aj/Jender : 19/♀
Post : マリオネット


うわぁ、人だかり!
しかも「ケンカだ!」なんて声…これは、事件?トーキー魂がもえます!

人だかりの間をするするとすり抜けて行く。
華麗なフットワーク、我ながらかっこいい!
で、輪の中心に到着!

ってあれ?その制服は警察の方…ですか?
ケンカじゃないの?あれ?あれ?
「女が殴ったんだ!」との輪からの声。
おまわりさんの目が私をジロリ。「女?」
え、わ、私じゃないですよ。ホントですってば。
私の必死の弁明で、おまわりさんはニッコリ。ホッ、よかった。
「こっちへ来い!」
うわー、信じてもらえてないー。たたたたた助けてーっっ!

 [ No.81 ]


公園の外にて

Handle : “抜け道屋”燕 ユウジ   Date : 2003/02/23(Sun) 02:27
Style : カゼ◎ レッガー ニューロ●   Aj/Jender : 18/♂
Post : フリーランス/抜け道屋


 野次馬たちを押しのけ押し分け、揉みくちゃにされらがらも、何とかその場からエクソダスに成功。一度だけ振り向いたが、何だか同い年くらいのトーキーらしき女性が、警官2人に連行されてゆくのが見えた。……お気の毒(笑)。

「はぁ…はぁ…はぁ…。ここまで来ればとりあえず安全かな…?」
 荒い吐息を吐きつつ、ユウジは公園の外壁に背中を預けた。
「はぁはぁ…。僕はもともと体育系じゃないから…。こんなに走ったのは久しぶり…だよ」
 そのままへたりと崩れ落ち、制服の胸元をぱたぱたさせる。
「何だよ…ねえさんは平気そうだねぇ…。俺はも少し休ませてもらうよ…」
 軽く手をあげ、力なく微笑する。
(やっべ…。原チャリ置いてきちゃったよ…)

 後日、警察に回収された愛機を引き取りに署を訪れ、結局色々と絞られるユウジであった…。

【燕ユウジ退場】

 [ No.82 ]


小心…いや、傷心…

Handle : 象が踏んでも壊れない°ヒ生 えり   Date : 2003/03/11(Tue) 22:32
Style : トーキー◎ チャクラ カブキ●   Aj/Jender : 19/♀
Post : マリオネット


…ふう、やっと弁解できました。
気がつけばもう夕方、せっかくの遊び日和を棒に振ってしまった。もったいない…。

まあ、いいんです!
これからは夜。
夜は夜でここにはいろいろと面白い場所があるハズ。
さっそく、探検です!

(桐生 えり 退場)

 [ No.83 ]


「抜け道、教えるよ!」

Handle : “抜け道屋”燕 ユウジ   Date : 2003/03/19(Wed) 00:37
Style : カゼ◎ レッガー ニューロ●   Aj/Jender : 18/♂
Post : フリーランス/抜け道屋


「なぁ、おっちゃん。抜け道知りたくない?」

 その日も、中央区から関内に流れる幹線道路は、仕事場に向かうクグツたちの車で大 いに賑わっていた。特に、中央区との直通連絡路のハイウェイ入り口が近いこの場所では、毎日のように通勤ラッシュで小規模な渋滞が起きている。都市開発計 画によって、当初からリニアレールによる連絡網が完備されていたLU$Tではあったが、渋滞を完全に消し去ることはやはり至難の業であったのだ。

「急いでんでしょ?…見りゃ分かるよ」
 オープンタイプのヘルメットに首から下げたライダーゴーグル。青いブレザーを着た少年が、その車にスクーターを横付けさせた。
「これから契約か何か?だったら急がないとね。…小遣いくれたら、良い“抜け道”案内してあげるけど、どうする?」

 [ No.84 ]


【ヤマシタ公園:眺望】

Handle : “氷刃”イセリア・アイスブランド   Date : 2003/03/20(Thu) 03:05
Style : カリスマ フェイト エグゼク◎●   Aj/Jender : 28/♀
Post : “Cafe Noir”店長


 ヤマシタ公園の潮風に髪をなびかせながら、イセリアはミナトミライを眺めていた。夜になれば遠くに見えるレインボーブリッジと共に煌びやかなライトアップで見るものを愉しませるだろう。

「空想するのは簡単だが、現実はなかなか上手く行かんものだな。」

 一言呟いて踵を返す。公園を出た駐車場で彼女を待つヴィークルに乗り込むと、イセリアはシートにゆったりと背を預けた。

「お疲れ様でした。いかがでしたか?」
「景色はまあまあだ。問題は方々とどう折り合いをつけるかだな。」
「難しそうですね。」
「ああ。だがそのほうがやりがいがある。」

 ヴィークルが海岸沿いを本牧倉庫街に向けて走り出した。

 [ No.85 ]


ただいま就職活動中!

Handle : “抜け道屋”燕 ユウジ   Date : 2003/03/24(Mon) 18:05
Style : カゼ◎ レッガー ニューロ●   Aj/Jender : 18/♂
Post : フリーランス/抜け道屋


 穏やかな潮風に身を任せながら、燕ユウジは多少遅めの昼食を迎えていた。今日も、いつものファーストフード店のハンバーガーとフライドポテト、 ドリンクは最近お気に入りのジンジャーエール。ベンチにどっかりと腰を下ろし、いつものメニューを頬張っていた。今日みたいに、時間があまり無いときには 役に立つ。

 なけなしの貯金を叩いて新調した、灰色のビジネススーツと青いネクタイ。思ったよりも高くついてしまって、何だかションボリ だが……初めての就職活動なんてのはこんなモノなのかも知れない。ユウジはぼんやりと新東京湾の方を眺めながら、先ほどの面接成果に思いを巡らせていた。
 
 「…よし。そろそろ時間か…」
 時計台に視線を泳がせ、ユウジは残りのハンバーガーを口に詰め込んだ。穏やかな潮風が心地よい。午後にはもう1件面接が控えている。ヘルメットを被り、傍らに停めた愛車に跨り、ユウジは公園を後にした。

 [ No.86 ]


鳴らない、電話

Handle : “百獣王”天津 元一郎   Date : 2003/04/11(Fri) 21:26
Style : イヌ◎ カブト● チャクラ   Aj/Jender : 27/♂
Post : ブラックハウンド機動捜査課


ヤマシタ公園、夕暮れ。
弦一郎はさっきから、ポケットロンで同じナンバーをコールしていた。

「Kouichirou Amatsu −−−コールなし−−−」

これで何回目になるのだろう?
メールも「届かなかった」。
恐ろしい胸騒ぎがした。

「・・・親父・・・」

 [ No.87 ]


【散る桜こそ、いとおかしけれ…】

Handle : “抜け道屋”燕 ユウジ   Date : 2003/04/12(Sat) 19:40
Style : カゼ◎ レッガー ニューロ●   Aj/Jender : 18/♂
Post : フリーランス/抜け道屋


 午後から降り出した霧雨は、月が昇る頃には一応止んだものの、風だけは一向に収まる気配を見せなかった。目の前に立ち並ぶ桜の木々がざわめき、雨を耐え抜いた花びらたちを振るい落としてゆく。
(まぁ、そろそろ潮時でしょ…)
  流石にこんな日は、夜桜見物に来るような奇特なヤツなんていない。今日も昼間では一応の賑わいを見せていた「お祭り」も、この雨と風でもう幕引きだろう。 ユウジはたこ焼き屋台に寄りかかり、舞い散る花吹雪(と言っては大げさすぎだが)を眺めていた。特に客がいるわけでもなく、頼まれてる時間までまだあるか ら、ここにいるだけ。缶ビールを時折口に運んでは、ぼぉーっとしているだけ。周囲では同業者が屋台を畳み始めていた。
「じゃぁな、ユウちゃん。また来年も頼むよー」
 軽トラックの運転席から、隣のやきそば屋台のオヤジが声をかけてきた。ユウジは軽く手を挙げて会釈する。俺もそろそろ帰りたいよ…。トラックは桜の雨の中に去っていった。
(本当の花見ってのは、散るのを見るのが風流とか…ね)
 中学時代の古文の授業を思い出した。たしか、昔の貴族が花見の時期を選んでいる話だったか…。それによると、散り時を見定めるのが当時の風流だったらしい。まるで今とは真逆だ。もっとも、花見で桜をメインに見に来るヤツのいないだろうけど。
(まぁ…確かに綺麗と言ったら綺麗だけどね…)
 ガヤガヤ五月蝿いよりは遥かに好感が持てる。それにここ数日は忙しすぎた。今ほどのんびり「お花見」に興じるヒマなんて無かったのが正直なところだ。
(やれやれ。でもまぁ…人助けってことで)

「おーーいユウジ!打ち上げ行くぞー!店たためー!」
 ようやくお呼びがかかった。ユウジは空き缶をくずかごに放り投げ、片付け作業に取りかかった。
 

 [ No.88 ]


そんな一日

Handle : “White X’mas”三笠 雪   Date : 2003/04/15(Tue) 23:59
Style : フェイト◎ マネキン● ヒルコ   Aj/Jender : 20/♀
Post : N.I.K所属


目が覚める。
自分の体にちょっとした違和感。
いつも自信を持っていない胸が完全に平坦になり、腰周りにいつもと違う感覚。
一ヶ月に一度。
自分の体が変化する日。
いつもテンションが高い自分の、唯一の憂鬱な日。

こう言う日は、基本的に部屋で過ごす。
仕事はしない。そんな気分でもないから。

「ったく、何でこんな体なんだか」

ぼやきながら、部屋着から外出用のいつもの格好をする。
体格は余り変わらないため、服のサイズに困ったことは無い。
下着は困るが、まぁ、気にしない。
一日の辛抱だ。

それなのに。
そんな日なのにどうして外に出かける気になったのか、良く分からない。
ただ。
桜が綺麗なこんな日に、出かけないのももったいない。
そんな気がしただけだ。

 [ No.89 ]


で、そんな一日

Handle : “White X’mas”三笠 雪   Date : 2003/04/24(Thu) 22:56
Style : フェイト◎ マネキン● ヒルコ   Aj/Jender : 20/♀
Post : N.I.K所属


 リニアに乗り、LU$Tへ。
 N◎VAはいつ、知り合いに会うか分からない。
 まぁ、LU$Tだって知り合いはいるんだけど、見咎められても何とかかわせる‥‥と思う。この口は飾り物じゃない。
 いざとなったら‥‥逃げる。
 明日になれば問題ない。

 風が吹く。
 あいにく、桜は愛でるまもなく散ってしまったようだ。
 桜吹雪の中、まるでそれが自分を祝福してくれているようで、その場でくるくる回る。
「スカートでも履いてくれば、いい気になれたなぁ」
 お嬢様。
 社会の底辺で、泥水をすすり、誰彼構わず庇護を求めていた自分とは相容れないそんな存在。
 一瞬の夢想。
 それだけなのに、とてもさびしくなる。
 二人の兄はとてもよく出来た兄だ。
 血のつながりの無い自分をそれでも、妹と扱ってくれた。
 不平不満は無い。
 あの人たちと出会ったとき、自分は死ぬだけの存在だったから。
 それを“人間”と扱ってくれたのはあの人たちだ。
 だから。
 だけど。

「‥‥年頃の女の子だったのにねぇ」

 余所行きの服など、買ってもらったことは無かった。

 気がつけば、周りを散っていた桜の花びらは全て、地面に落ちていた。
 そして。
 芝生に足を止め、そこに横になる。
 少し、休憩しよう。
 懐から缶ビールを取り出し、少しあおる。
 ちょっとだけ、苦さに顔をしかめた。

 [ No.90 ]


日常?

Handle : “魔王の愛娘” メフィストフェラ   Date : 2003/05/02(Fri) 22:35
Style : カブキ◎ ニューロ ハイランダー●   Aj/Jender : 16/♀
Post : 情報屋


海から吹く風が心地よい。

久しぶりに生身で出歩いてみたが、たまにはこういうのも悪くはない。そう思った。

暫く、公園を歩いてみる。

執事兼運転手のタルタロスが迎えにくるまでまだ時間がある。

「わたしを墓穴のなかから呼び出した
 おまえの魔法の力
 わたしに生気を与えた快楽の炎―
 もうおまえにも鎮めることはできまい
 人間の息吹きは神にひとしい―
 わたしはおまえの魂を飲みほそう
 死人は飽くことを知らないものなのだ」

私はゆっくりと自分の名前の由来となった舞踏詩を口ずさむ。

そう、たまにはこういうのもわるくは無い。

平穏な日々があるからこそ、命を掛ける時に魂は光輝くのだから。

「今度はどんな魂を刈り取れるのかしら。」

私はひとり呟くと踵を返した・・・。

 

 [ No.91 ]


やってきた街に・・・

Handle : ”手品師”各務 京矢   Date : 2003/05/10(Sat) 01:51
Style : カブキ◎ バサラ マヤカシ●   Aj/Jender : 25/♂
Post : 流浪の手品師


「ここが新しいボクの舞台」
一人の青年が始めて見る街の中に足を踏み出す。
少年にも見える顔立ち、着古したダークグリーンのジャケット。
右手のトランクには奇術用具と当座の着替えと夢を詰め込んで

「まずは・・・・・・どこに泊まろう」
青年の旅はまだ始まったばっかりだった

 [ No.92 ]


Re:やってきた街に・・・

Handle : ジュディア   Date : 2003/05/13(Tue) 05:01
Style : カゼ◎ ミストレス● カリスマ   Aj/Jender : 20/♀
Post : 暴走族


「おーはーこーんーばーんーちーはー。
 はろーはろー。ごきげんですかあ?」

 突然かけられた調子外れな声に、各務が振り返るより早く、その首に細い腕が回される。

「はじめまして。
 あたしちゃん様の名前はぁ、ジュディアちゃーん。
 この辺のさあ、走り屋つーかレディスのぉ、あーたま張ってまーす。あはははは、よーろーしーくーねー」

 甲高く耳障りな声で笑う。耳元だけに不快感が募る。

「昨日まで見なかった顔でつよねー。あたしちゃん様ってば記憶力はじしーんあーるの。
 さーて、それではなぜなにクイズのコーナーがやって参りましたよー!」

 ジュディアの奇声に口笛と奇声が応える。どうやら、最初から仲間と一緒に近づいてきていたようだ。

「まずは第一もーん! これを答えられたらその時点で合格でーっす!
 ここにぃ、歌だか絵だかわからないけどぉ、新顔のぉ、ストリートアーティストとぉ、この辺を仕切ってるギャングの元締めがいるとしまーす。仮定ね。カテー。もしものはーなーしー。
 さあ! ストリートアーティストはそこでどうするのが正しいでしょーうか!」

 この辺り一帯は、絶妙の力バランスでどこの暴力組織も互いに牽制し合い、平和が保たれているという噂は聞いていたが、だからこそ、こういった勘違いした連中が隙をついてよからぬことを企むのかもしれない。

「さあ、ノーヒントでお答えをどうぞ! チッチッチッチッチッチッチ・・・」

 首にかけられた腕に力がこもっていくのを感じる。さて・・・

 [ No.93 ]


最初のステージ

Handle : ”手品師”各務 京矢   Date : 2003/05/28(Wed) 01:32
Style : カブキ◎ バサラ マヤカシ●   Aj/Jender : 25/♂
Post : 流浪の手品師


「はは、まいったな・・・」

いきなり降りかかってきた凶悪なリドルに各務はぐうの音も出せずにいた
(もっとも、出せたとしても締め上げられた首根っこで止まってしまうだろうが)
「わ、わかってますって。これですよね(汗)」
武器が無いことを証明するようにゆっくりと懐からトランプを取り出すと・・・掌から生じさせた旋風と一緒に周囲に向かって叩きつけた!!
「キャッ!」「うわっ!」「痛っ!」
無限に舞い踊り容赦なく視界を奪うトランプ、たちまち巻き起こる阿鼻叫喚、
後に残っていたのははた迷惑なほど多量のトランプと狐につままれた顔の暴走族たち、そして指が白くなるまで握りつぶされた『鳩』のぬいぐるみだけだった。

ちなみに、彼女ら全員が『見物料』を抜き取られていたのに気がついたのはそれから3時間後だったという

 [ No.94 ]


Re:最初のステージ

Handle : ジュディア   Date : 2003/05/30(Fri) 21:07
Style : カゼ◎ ミストレス● カリスマ   Aj/Jender : 20/♀
Post : 暴走族


 ふっは!
 あはははははは!
 すげえすげえっ。なあ!? こりゃあすげえやうんうん。
 なあ!?
(勢いでうなずいたレディースを間髪入れずにはり倒す)

 笑ってんじゃねえ畜生!!

 [ No.95 ]


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