shoot_the_MOVIE

[ shoot the MOVIE BBS Log / No.51〜No.100 ]


 あなたは、立ち止まる。
 こんなところに、バーがあったかな……?
 目の前の古びた看板には『shoot the MOVIE』。あなたは、小首を傾げながらも、重い扉を押して中に入る。
 たまには、こういう寂びれた店で飲むのも悪くないだろう。
 程よく薄暗い店内には、静けさを引き立てるようにピアノの音が流れていた。思っていたよりも中は広く、想像していたような物憂い雰囲気はない。
「いらっしゃいませ」
 初老のバーテンダーが、メニューを差し出した。彼の黒いベストの銀の刺繍と豊かな白髪が、動きに添って柔らかく光った。
「リッツォ、いいですよ。続けてください」
 バーテンダーの視線の先で、ピアノを弾いていた青年が、椅子に座りなおす。どうやら彼がボーイらしい。眉をぴょこんと持ち上げて、おどけた表情をして見せる。
 あなたは、黒い革で覆われたメニューを開く。『風と共に去りぬ』『ライムライト』『道』『ベン・ハー』『サイコ』『ゴットファーザー』『スター・ウォーズ』『ブレードランナー』『レオン』『タイタニック』……。
「これは? どうやら、ハザード前の映画のようですが?」
 あなたの問いに、バーテンダーは端正な顔を和ませた。
「おっしゃる通りです。ここでは、主に映画細工のカクテルを楽しんでいただいております」
「よーするに、映画のイメージのカクテル、てことですね。もちろん、それに載ってない映画でも大丈夫です。マスター、凝り性だから、なんでも作っちゃいますよ。何を差し上げましょう?」
 リッツォと呼ばれた南欧系の青年が口を挟んだ。バーテンダーに目顔でたしなめられるが、こたえた風もない。
 さて、あの映画はあるかな?
 そしてあなたは、メニューに指を滑らせ始める。

炎の少女チャーリー (RE:場違いな来訪者)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/08/19(Thu) 23:19
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 赤ワインとチェリー・ブランデーを金属のグラスに入れ、ステア。バカルディ151を注ぎ、火をつける。
 銀色のグラスに炎がちろちろと映り込む。櫻庭は、少女の目がグラスにひきつけられるのを確認した。
 炎が燃え盛っている間に、氷とレモン・ジュース、シェリーを入れたコリンズ・グラスに注ぐ。

「お待たせしました」

 [ No.100 ]


小さな恋のメロディ 

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/08/16(Mon) 23:10
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 シャルトリューズ・ジョーヌ(薬草系リキュール)、ライチ・リキュール、レモン・ジュース、ローズ・シロップをシェイクし、ソーサー型シャンパン・グラスに注ぐ。ミックスフルーツをワインゼリーでグラスの底に沈める。スプーンをつけて、出す。
 
「お待たせしました」

 ボーイの青年がテーマ曲「メロディ・フェア」を奏ではじめる。フルーツの入ったゼリーが光を反射し、若やいで清らかな空気を作る。やわらかなハーブと蜂蜜の香りが、ダニエルとメロディの初々しさを思い出させる。

 [ No.99 ]


じゃあ………

Handle : あやめ   Date : 99/08/16(Mon) 21:18
Style : ミストレス=クロマク=タタラ   Aj/Jender : 20代/女性
Post : 研究員


 西九条の話を笑顔で聞くあやめ。自分でも話の内容は苦手なものではないし、相手が楽しそうに話しているのを聞いているだけで自分も楽しい。
 おまけに、自分にとって勉強になるものも含まれているとなれば、文句なしである。

 あやめは、自分のいる環境を十分に堪能し、それを作ってくれている西九条に感謝していた。

 しばらくして、西九条のポケットロンが着信を知らせる。何か、約束が入っていたらしい。西九条は、ポケットロンをきると、目を細めて約束を告げてきた。時計を見てみると、かなりの時間がたっている。
「また、こうしてお会いできるとよいですね」
あやめはにっこりと西九条にほほえみかけた。
「こちらに来たとき、連絡できるとよろしいのですが………。もしよろしければそちらも教えていただけますか?」
そういって、自分の名刺をそっと差し出す。
「一夜の夢というのなら、それも仕方ないですけどね」
くすくすと笑いながらあやめは西九条の顔をじっと見ていた。
 そして、視線を目の前のバーテンに移す。
「………そうですね………。『ライフ・イズ・ビューティフル』をおねがいできますか?」

 [ No.98 ]


河童

Handle : 西九条陸人   Date : 99/08/12(Thu) 23:26
Style : エグゼク◎ ミストレス 黒幕●   Aj/Jender : 20 男
Post : 管理センターWumb


 あやめの言葉に、何時の間にかあいた妙堂院の座っていた場所を彼も振り返った。
 ちょうど依頼したいことがあっただけに残念そうに小さく微笑んだ。
「彼女なら私の知り合いですから、今度お礼を云っておきますね」
 そう云って振り返ったあやめに人懐っこい笑みを見せる。
 そして彼はあやめを楽しませようと自分の好きなことを話し出す。薬のこと、遺伝子のこと、ヒトのこと・・・・相手にあわせて話してはいるし、如才ないジョークも交えてはいるが、その趣味のない人間にとっては聞きづらい、生々しい話である。
 しかし自分の趣味について話す男にその自覚はない。

 ふと、胸のポケロンが着信を知らしめる。・・・どうやら幹部会の時間が決まったようだ。
「失礼、はずせない用が入りましたので」
 目を細めて静かに微笑みかける。そして。
「マスター、最後に『河童』をお願いします」

 [ No.97 ]


仮面の男 (RE:また来たよ )

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/08/11(Wed) 23:26
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 コリンズ・グラスにメロンリキュールを入れ、ソーダで半ばまで満たす。グレープフルーツ・ジュースとコバーン・ルビー・ポート(赤ワイン)を静かに注ぐ。中央にベル・ローズを飾る。

「お待たせしました。かき混ぜてお飲み下さい」

 鮮やかな緑と深い赤の2色のカクテルの上に、バラが浮いている。かき混ぜると、全体が沈んだ血の色になっていく。
 勝つのは、正義か悪か、忠誠か裏切か、政治的策略か信念か? ただ、薔薇だけが変わらない。

 [ No.96 ]


あの街並…。

Handle : ”キルロイ”エアハート   Date : 99/08/08(Sun) 15:56
Style : カブトワリ◎、カゼ=カゼ   Aj/Jender : 20/F
Post : ”鋼鉄の竜騎兵”副長


赤茶けた色はなつかしい街並。
クリームの白はドームの中から見た白い雲。
漂うアーモンドの香りは母さんがよく作ってくれたココア。

「何もかも、なつかしい…。」
でも、決して戻りたいとは思わない。
母さんも、父さんも兄さんもいない街。
砲弾の代わりにミサイルの飛ぶ街。
あの街は、もう”想いで”の中だけでたくさん。

『じゃあ、なんで頼んだの?』わたしの中のわたしが問いかける。
「……みんながいた事を、忘れたくはないから……。」
グラスに小さく一言。
そう。あの街は大砲の街。そして、みんながいて、わたしがいた街。

 [ No.95 ]


場違いな来訪者

Handle : ”炎剣”小嶋 真奈美   Date : 99/08/07(Sat) 01:48
Style : カタナ◎,チャクラ●,バサラ   Aj/Jender : 16/♀
Post : フリーランス


「・・・」
次の客もまた無言で店内に入ってきた。
まだ幼さを残す、こういった店には少々若すぎるような客だ。
彼女は背負ったゴルフバックを下ろすと、空いている椅子に腰掛けた。
「厄災前の映画ね・・・・”ファイアスターター”を。
 ”炎の少女チャーリー”といった方がいいかな?」
見た目より場慣れした様子で、彼女は告げた。

 [ No.94 ]


大砲の街 (Re:わたしの”MEMORIES”)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/08/03(Tue) 23:46
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 チョコレート・クリーム・リキュール、クルミ・リキュール、アマレットをシェイクしてカクテルグラスに注ぐ。ホイップした生クリームをグラスの中央に盛り付ける。

「お待たせしました」

 あの街のような赤茶けたカクテルは、強いアーモンドの香りがした。

 [ No.93 ]


『小さな恋のメロディ』

Handle : “サイコ/MaRiA”来崎亜琉奈   Date : 99/08/03(Tue) 23:39
Style : カブキ◎バサラ●マヤカシ   Aj/Jender : 21/female
Post : Musician


「・・・」
無言で店に入りドアを後ろ手に閉める。
空いているイスに座って、少し考えたあと、
「『小さな恋のメロディ』をください」
少し店内の空気を『嗅いで』
「いいお店ですね。・・・初めてきたわ」
店の中の会話に耳を傾け、ぼんやりとカクテルを傾ける。
ゆっくりと、店の空気にとけ込むように。

 [ No.92 ]


また来たよ

Handle : 石目 夷吟   Date : 99/08/03(Tue) 00:10
Style : エグゼク◎,カリスマ●,クロマク   Aj/Jender : 42歳
Post : イワサキN◎VA支社人事部部長


店の出入り口の戸が開く。
男は再び店を訪れた。
「また来てしまったよ。マスター」
軽く笑ってみせる。
「いつ来てもいいい店ですね,ここは。」
店内をぐるっと見渡す。
「えー,そうだな。『仮面の男』よろしいですか?」
そういうと男は耳を澄ますように目を閉じた。

 [ No.91 ]


DEAD SYMPHONY

Handle : ”EDGE”柏崎 ショウ   Date : 99/07/21(Wed) 11:15
Style : バサラ◎●チャクラ=チャクラ   Aj/Jender : 自称20/漢
Post : E.D.G.E.代表


ゆっくりと、目の前に出されたカクテルを飲む。
グラスを置くと、ポケットロンがCALL。
俺は手短に相手の質問に答え、回線をカットしようとしたが、思いとどまった。
「俺からの最後の言葉だ。受け取れ……『全員殺せ』邪魔者は消せ。この世の理だ。
サンピンから軌道人。宿敵から友人。手加減するな。
たとえ、それが恋人だったとしてもだ……じゃあな」
軌道の『家』に戦いを挑むなど、正気ではない。それはわかっている。
だが、人は武器をとらなければならない時がある。今がその時だ。
「いいカクテルだった。今度は……妻と来ることにするよ」
シルバーを一枚置いて、俺は笑った。次など、おそらくない。
店を出て、俺は<転移>した。敵の蠢く、死の街へ。

 [ No.89 ]


アンタッチャブル (Re:BRAND NEW SONG)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/07/16(Fri) 23:17
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 ホワイト・ラム、カンパリ、オレンジ・ジュース。シェークして、ロック・アイスを入れたタンブラーに注ぐ。トニック・ウォーターで満たす。

「お待たせしました」

 ほのかに紅に輝くカクテルは、慈父のようなマローンの心。それは、誰にも買収されない(アンタッチャブル)。

 [ No.88 ]


わたしの”MEMORIES”

Handle : ”キルロイ”エアハート   Date : 99/07/16(Fri) 13:03
Style : カブトワリ◎・カゼ=カゼ●   Aj/Jender : F/20
Post : フリーランス


「こんばんわ。またお邪魔させてもらうわね。」
バーテンに一言。

黙ってカウンターに腰掛け、ポケットからくしゃくしゃの煙草を取り出す。
火を点け、一服。紫煙がゆれる。

「”MEMORIES”。今度は『大砲の街』でお願い。」
自分の故郷に良く似たあの街。
「ゴエルロ・エストニア・・・。」
ふと胸の奥で何かが痛んだ。

 [ No.87 ]


ごちそう様でした。

Handle : レイチェル   Date : 99/07/14(Wed) 11:53
Style : ハイランダー=マネキン=マネキン   Aj/Jender : 14/女の子
Post : 娼婦(?)


少女と男性はしばらくお店とお酒を楽しんでいるようだった。……と、その時に男性のポケットロンがコールを告げる。
「タイムリミットみたいですね〜」
少女は男性の方を少し残念そうに見つめ、ゆっくりと立ち上がった。男性もそれに続く。
「今日はとても楽しかったよ。これからも、余裕があったらよらせてもらうよ」
男性はにっこりとバーテンと近くの男性に微笑みかけ、少女の腕を取ると店を出ていった。

 [ No.86 ]


Re:ローズ・クエスト

Handle : あやめ   Date : 99/07/14(Wed) 11:49
Style : クロマク=ミストレス=タタラ   Aj/Jender : 22・女性
Post : 研究員


> 「あ、つまらないですか?こういう話は」
>  そう云った後、無邪気な笑みでこの店への讃辞を込め、グラスをあわせる。
西九条の言葉と微笑みに、あやめは首を軽く横に振って、無言の微笑みを返した。
そして、自分のグラスをそっとあわせる。
> 「全てのアオバラよりなお蒼いピーター・バラ・・・ってだめですね、つい。仕事のことは忘れるつもりだったんですが」
「別に気にしなくても結構ですよ。楽しいお話なら、無理に仕事以外でなくてもかまいませんわ」
あやめはそういいながらそっと先ほどの女性がいた方を見た。もちろん、そこには女性の姿はなかった。
「あら…お礼を言いたかったのに……」
あやめは少し残念そうで西九条を見た。

 [ No.85 ]


一時過ぎて

Handle : 斎條 一   Date : 99/07/13(Tue) 23:51
Style : クグツ◎●(?) カタナ=カタナ(?)   Aj/Jender : 26?/M
Post : どこぞのクグツ


グラスの中にあった、「とびきり楽しい」一時を提供したカクテルは、その役目を終えた。
空になったグラスを手の中で名残惜しそうに弄んで、自分のその仕草に思わず苦笑する。
「ごちそうさまでした、マスター。リクエスト道理の”とびきり”、最高でしたよ」
立ち上がり、ボーイであるリッツオォに会計を渡す。
「では・・・また来たときにも、楽しいものを御願いしますね」
穏やかな笑顔を向けて、バーのドアを開ける。
家に戻って見る映画の検討をしながら。

【斎條一、退場します】

http://www.teleway.ne.jp/~most [ No.84 ]


BRAND NEW SONG

Handle : ”EDGE”柏崎 ショウ   Date : 99/07/13(Tue) 10:18
Style : バサラ◎●チャクラ=チャクラ   Aj/Jender : 自称20/漢
Post : E.D.G.E.代表


ドアをゆっくりと押し開け、奇妙な外見の男が入ってきた。
このような場所にはいささか不似合いな服装……外套に和服姿……だ。
見るものがみれば、どれも改造・合成を施された防具だと気づくだろう。
他にも数々の武器・防具・呪物が非常に巧妙に隠されている。戦争に行くかのようだ。
氷の冷たさをたたえた深紅の瞳の奥に炎をかいまみせる。悲壮な決意。
「『アンタッチャブル』を」
マスターにそう告げ、目を閉じた。
これから俺は仲間と死線をくぐりぬけなければいけない。
そして、おそらく命を落とすだろう。
だが、やらなければならない。他の全てを捨ててでも。
妻のために。娘のために。
俺の全てを取り戻すために。
「全く……冷酷無比の人斬りが聞いて呆れるぜ……」
自嘲気味に、乾いた笑い。

 [ No.83 ]


待ち人来たらず・・・

Handle : 石目 夷吟   Date : 99/07/10(Sat) 05:14
Style : エグゼク◎,カリスマ●,クロマク   Aj/Jender : 41歳/男性
Post : イワサキ


「ありがとう。へぇ〜。スタンダードカクテルであったんだね。」
石目はそういうと,『ブラック・レイン』を一気に飲み干した。
「どうやら,来ないようだな・・・。」
軽く目を閉じ考える。
IANUSを社のメイン・フレームにつなぎ何かを検索
する・・・。
「ありがとう,とても充実した時間を過ごせたよ」
石目は微笑んだ.
そして,立ち上がるとコートを羽織り,店を出た。

 [ No.82 ]


ブラックレイン (Re: 誤解に潜む真実)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/07/09(Fri) 23:20
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 ブラック・サンブーカをグラスに入れ、シャンパンをゆっくり注いで軽くステア。

「お待たせしました。スタンダードカクテル、ブラック・レインです。・・・・・・松本警部補もよかったですね」

 櫻庭は微笑んだ。

 [ No.81 ]


スターウォーズ ファントム・メナス(Re:伝えられなかった言葉─)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/07/09(Fri) 23:17
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


>「…人と話しをするのは大変なものだな、マスター」
「相手のことを思えば思うほど、難しくなりますね。全く・・・」
 軽く肯う。
 
「スターウォーズ ファントム・メナスですね。かしこまりました」

 ホワイト・ラム、ジン、ミント・ホワイト、ライム・ジュース、レッド・キュラソー。
 シェイクして、氷を入れたコリンズ・グラスに注ぐ。ソーダで満たし、軽くステア。

「お待たせしました」

 カクテルは、あのライトセイバーのように禍禍しき赤い光を放つ。口をつけると、涼しげな味がした。墜ちる前の、彼のような。

 [ No.80 ]


誤解に潜む真実

Handle : 石目 夷吟   Date : 99/07/03(Sat) 23:46
Style : エグゼク◎,カリスマ●,クロマク   Aj/Jender : 41歳/男性
Post : イワサキ


「次は『あうん』をたのめないだろうか?」
男は軽く目を閉じ,IANUS越しにNEWSを見ていた。(「中華街の事件は幕が下りたか・・・“フミカ”さんか,欲しいな・・・」)
「やはり,タカクラケンはいいな。」
内心の声とは別に男は話を続ける。
そこで改めて,自分の発言に反応して考える。
(「ブラックレイン」の方がよかったろうか・・・」)
「いや,やはり『ブラックレイン』を頼むよ」
男は軽く微笑んで注文を変えた。

 [ No.79 ]


伝えられなかった言葉─

Handle : 不知火   Date : 99/07/02(Fri) 20:06
Style : カブト◎カタナ●カゲ   Aj/Jender : 34?/male
Post : フリーランス


人と話しをする事になれていないせいだろうか?
映画の内容を聞いてきた少女に答えるまえに少女は消えてしまった。
カクテルを飲み干しながら、男は溜息をつく。
「…すまないな」
いなくなった少女に向かって独白する。
苦笑している自分に気がつき、気を取り直すために煙草を再び咥えた。
「…人と話しをするのは大変なものだな、マスター」
なにげなく人恋しくなったのだろうか?無骨な男はマスターに話し掛ける。
「…スターウォーズのファントム・メナス出来るか?」
名作の再演といわれたその映画の名前を何気なくつぶやいた。

 [ No.78 ]


穏かなる時を

Handle : 妙堂院由耶   Date : 99/07/02(Fri) 01:26
Style : ミストレス◎フェイト●カリスマ   Aj/Jender : 37歳/女性
Post : NIK所属・探偵


ブルームーン…“出来ない相談”…か。なるほど。
あたしは苦笑。それはかなえられない夢。でも、憧れではある。いつまでも美しくありたいと思うのは女性のエゴだろうか。
などと、考えるのは性に合わない。それはわかってるのに。ついつい考えてしまうのは、この店にいるからだろうか。
(……悪くない)
たまにはこんな時間も持つべきだ。穏かな時間と、カクテル。そして、心地よいピアノ。
「っと、長居しすぎたかな?」
うとうととしかけた自分に呆れて、慌てて目を覚ます。
「……楽しい時間。ありがとな」
カウンターにチップを置いて。少し、多めなのはこの店に対するお礼の気持ち。…立ちあがり、バーテンに軽く会釈。ニヤニヤ笑いを口に刻みながら彼女は静かに店の扉を開けた…。

【妙堂院由耶退場です〜】

 [ No.77 ]


もうひとりのわたしが目覚める・・・。

Handle : ”キルロイ”エアハート   Date : 99/07/01(Thu) 13:09
Style : カゼ=カゼ◎・カブトワリ●   Aj/Jender : 20/F
Post : ”鋼鉄の竜騎兵”副長


不意にK−TAIが鳴る。
それはもうひとりの私の目覚めをうながすアラーム。

『キルロイはどこにいる?』
これが合い言葉。

「キルロイはここにいる。」わたしは返す。

「すみません。急に仕事が入ってしまいました。またいつかどこかであったら、お話聞かせて下さいね。」
男の人に一言。

「ごちそうさまでした。またいつか。」
バーテンさんに代金を渡す。

店の扉を開き、わたしは夜の街に向かった。

 [ No.76 ]


悲報

Handle : クリス・ハーデル   Date : 99/06/30(Wed) 17:33
Style : フェイト◎、カブトワリ、カブトワリ●   Aj/Jender : Male
Post : LIMNET広報処理官


キィルルルルル・・・・・
人の気をひく程度の振動が手元を揺らす。
「____ライ、ちょっと」クリスはライとの会話を止め、通話ボタンを押した。「はい、ハーデルです」
彼はしばらく黙り込んだまま携帯の声に無言で頷く。
やがて彼が顔を顰め、手が白くなるほど携帯を握り始める。
「・・・・わかった」
一言だけはっきりと声に出して返事を返すと、クリスは懐からキャッシュを出して腰を上げた。
「すまない、急用が・・出来た」
ライにぎこちない笑みを返しながらスツールから離れる。
彼は、カウンターの奥のマスターとピアノを弾いていたリッツォに手を挙げて礼を言うとドアへと歩く。
「何か・・・あったのか?」
ライの軟らかな問いかけに、一瞬クリスの顔が緩む。
が、すぐにその顔が例えようの無い悲しみと怒りに染まって行く。
「友人が・・・消えたのさ」
足早に扉を抜け、LU$Tの街へと歩いて行く。
彼は手帳を取り出し、幾らか書き込んだ。
その後、何かの糸が切れた様に持っていたペンを地面に投げつけ近くのごみ箱を蹴り飛ばした。

この怒りを・・・何処へ向けよと言うのだ?
彼は呟いた。

【PL:クリス・ハーデル、退場しまーす。(^^)/】

http://www.din.or.jp/~niino/ [ No.75 ]


ローズ・クエスト

Handle : 西九条陸人   Date : 99/06/30(Wed) 01:20
Style : エグゼク◎ ミストレス 黒幕●     Aj/Jender : 20 ♂
Post : 管理センターWumb秘書室長


 マスターの告げるタイトルを聞き陸人は優しくあやめに微笑んだ。
「粋な計らいですね」
 そう云ってグラスを掲げる。
「ベルベットのような感触の深紅の薔薇の花言葉は『心の底からの愛の叫び』でしたっけ。あ、つまらないですか?こういう話は」
 そう云った後、無邪気な笑みでこの店への讃辞を込め、グラスをあわせる。
「全てのアオバラよりなお蒼いピーター・バラ・・・ってだめですね、つい。仕事のことは忘れるつもりだったんですが」
 仕事が苦痛だと思ったことはない。むしろ楽しんでこなしている。
 多分、この店の雰囲気が、タタラだったことを感傷的に思い出させるのであろう。

http://www04.u-page.so-net.ne.jp/xd5/mahiru3/nova/ntop.html [ No.74 ]


…………

Handle : あやめ   Date : 99/06/28(Mon) 13:32
Style : ミストレス=タタラ=クロマク   Aj/Jender : 秘密/女性
Post : 研究員


あやめたちの前にカクテルがおかれる。オレンジ色のなかなか飲みやすそうな感じのものだ。
「これは?」
あやめはマスターにたずねた。そして、西九条の方をちらっと見た。

 [ No.73 ]


から騒ぎ & 永遠に美しく

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/06/27(Sun) 23:09
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 「永遠に美しく」と「から騒ぎ」。手早く作る手順を考えながらも、手は自然にすばやく動いている。

 古風な模様のついた華奢なカクテル・グラスを1個、ソーサー型シャンパングラスとベル・ローズを2個、取り出す。
 シェーカーとシャンパングラスに氷とドライ・ジンを入れる。
 シェーカーにクリーム・ド・バイオレット。裏ごししたレモン・ジュースをシェーカーとシャンパングラスに入れる。
 シェイクし、カクテル・グラスに注ぐ。
 シャンパングラスに、オレンジ・ジュースとシャンパン。軽くステアして、ベル・ローズを浮かべる。ボーイに、2人の席に運ばせる。
 
 櫻庭は、女性の前に、あの秘薬のような美しい紫色のカクテルを置いた。
「お待たせしました。「永遠に美しく」、またの名を、スタンダードカクテル、ブルームーンです。なお、ブルームーンには、できない相談、という意味もございます」

 マスターの解説が終わる頃、奥の席の2人の前に、明るい日差しの中の恋の楽しさをイメージした「から騒ぎ」が置かれた。櫻庭は、それを確認し、身を引いた。

 [ No.72 ]


そして時計が、動き出す

Handle : “ハイウェイ・ファントム”榊シモン   Date : 99/06/27(Sun) 07:15
Style : ニューロ=ニューロ◎、アラシ●   Aj/Jender : 17/男
Post : フリーランス


注文を待ちながら、彼は物思いにふける。
鋭い眼差しで宙を睨むその様子は、先程とは別人のようだ。
(俺は追い詰められたのか。いや、違う)
確かに、もうN◎VAには戻れない。
だが、この街には自分の活躍できる「舞台」がある。

・・・その時、何者かの視線を感じ、咄嗟に振り向く。
だがそこには、既に誰もいない。
(気のせいか。そうだな、まだ俺は賞金首ではない)
苦笑を浮かべるシモンのもとに、カクテルが運ばれる。
> 「お待たせしました。ウルトラミルクの方が、良かったですか?」
ボーイの言葉に、ニヤリ、と笑みで応える。
あの主人公のような、破壊に飢えた不敵な笑みで。
グラスを受け取ると、そのままゆっくりと飲み干す。
「また、来る」
カウンターにゴールドを置いて、席を立つ。
残念ながら長居は出来ない。足早に出口へ向かう。
だがその顔には、何か確信のようなものが浮かんでいた。
(俺は、止まらない。誰にも、止められない)

 [ No.71 ]


時計仕掛けのオレンジ (Re:疾走する夢の始まり)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/06/26(Sat) 23:04
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 クリーム・ド・カシス、フレッシュ・レモン・ジュース、レッド・キュラソー。ブレンダーにかけ、グラスに注ぐ。半円形にスライスしたオレンジ五枚をカクテルピンに刺し、レッド・チェリーで止め、飾る。

「お待たせしました」

 見場のいいオレンジの下に、血のにじんだようなフローズン。
 小さな銀の盆で、ボーイが赤毛の青年の元へと運んでいく。嬉しげに、「雨に唄えば」をハミングしながら。

「お待たせしました。ウルトラミルクの方が、良かったですか?」
 リッツォは、不自然なほど明るく、笑いかけた。

 [ No.70 ]


You’ve Got M@il (Re:クスクスクスクス………)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/06/24(Thu) 23:09
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 ウオッカ、ドライ・ベルモット、檸檬香酒をステア。マラスキーノ・チェリーとミント・チェリーをピックに刺して沈める。レモン・ピールをたっぷり振りかける。

 レモンのさわやかな香りが漂う。赤と緑の、個性の強い色のチェリーをつなぐ、銀の絆。

「お待たせしました」 

 [ No.69 ]


[ Non Title ]

Handle : ルース・ブライトン   Date : 99/06/24(Thu) 03:27
Style : エグゼク◎、カゲ●、カブトワリ   Aj/Jender : 27
Post : 人材派遣会社社長


・・・・・・
のんびりと過ごしすぎたらしい。
気づけば、これから急いでも「待ち合わせ」に間に合わない時間になっていた。
「ま、仕方ないね」
待ち合わせの相手がBizの相手でないのが唯一の救いといったところか。
「どうもごちそうさま。もっとゆっくりできる時にまた来ます」
勘定を払って、スーツの襟を直す。
映画もいろいろ見ておこうか。
さて、ご機嫌を取る為に何を土産にするかな?

 [ No.68 ]


呟き(Re:ベルリン・天使の詩)

Handle : “渡し守”クー・クロクル・クラカライン   Date : 99/06/23(Wed) 22:03
Style : マヤカシ=マヤカシ◎●バサラ   Aj/Jender : 28/♂
Post : フリーランス


 男は長い間、奥の席でただただひたすらバーの様子に聞
き入っていた。
 彼の存在を皆忘れていた。だから彼の呟きを聞いた者は
間近にいたマスターぐらいだろう。
「『……孤独に、ただ見守り、集め、証言し、守るだけで
いい。霊でいよう。距離を保ち、言葉でいよう……』」
 そして彼はそのセリフを引用した映画の名前を付けられ
たカクテルを口にした。

 カクテルを空にするとキャッシュをその場に置いて、男
は静かに立ち上がった。
「……ありがとう。カクテルもピアノも素晴らしかったで
す」
 それだけ告げると彼は扉へ向かった。そして出ていく前
に店内を見渡し、赤い髪の青年を見つけ視線を止めた。
(……彼も“沙”、か? だが今はまだ関係ない。いずれ
わかることだ……)
 視線を外し、彼はLU$Tの喧噪に戻っていった……。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~soncho/ [ No.67 ]


[ Non Title ]

Handle : 妙堂院由耶   Date : 99/06/22(Tue) 11:02
Style : ミストレス◎フェイト●カリスマ   Aj/Jender : 37歳/女性
Post : NIK所属・探偵


(まずったかな?)
由耶はそう思っていた。どうも、気付かれたような気がする。いや、確実に気付かれてる。
おどかそうと思ったのに、これではなんの意味もないではないか。来た時にすぐに声をかけるべきだったか?
彼女は、溜息をついて……そして、苦笑。それから、考える。
「マスター、そこのお二人さんに『から騒ぎ』を。もちろん、あたしの奢りで」
西九条と、彼の連れている女性に視線をやりつつ、注文。
自分もカクテルを飲み干し、一度名残惜しそうにグラスを見つめ。いつもの調子に戻る。その一瞬に、懐かしき思い出達を胸にしまいこんで。
「あたしには、そうだねぇ、『永遠に美しく』を貰えるかい?」
茶目っ気たっぷりに、ニヤニヤ笑いながら……。

 [ No.66 ]


疾走する夢の始まり

Handle : “ハイウェイ・ファントム”榊シモン   Date : 99/06/22(Tue) 08:42
Style : ニューロ=ニューロ◎、アラシ●   Aj/Jender : 17/男
Post : フリーランス


周囲を少し気にしながら入って来た若い男。歳は、どう見てもせいぜい二十歳ぐらいであろう。
店内の抑えた照明に、彼の生白い肌と赤い髪が浮かぶ。
「ここが、彼女の言ってた店か・・・」
シモンは静かにカウンターに座り、店内の様子をそれとなく窺う。とりあえず危険は無いようだ。
(確かにいい店だね、マンデインにしては)
穏やかな笑みを浮かべ、目を閉じる。ウェブでの彼の姿しか知らぬ者には、とても想像できないような、優しげで繊細な表情。
「・・・そうだね、何をもらおうかな」
だが、注文はもう決まっている。
「そうだ、『時計仕掛けのオレンジ』を」
ゆっくりと見開いたその目に、鋭い光が宿る。

 [ No.65 ]


想いでの中に沈みそうで・・・。

Handle : ”キルロイ”エアハート   Date : 99/06/17(Thu) 15:47
Style : カゼ=カゼ◎・カブトワリ●   Aj/Jender : 20/F
Post : ”鋼鉄の竜騎兵”副長


>「お待たせしました」

グラスの中の薔薇はわたしをひき込もうとするかのように揺れている。

「・・・・・・。」
わたしの中の色々な想いがその薔薇に映し出されているような錯覚。

 [ No.64 ]


MEMORIES (Re:想い出をひとつ・・・。)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/06/16(Wed) 23:20
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました。それでは「彼女の想いで」を」

 ブルゴーニュ・アリゴテ(辛口白ワイン)にクランベリー・ジュース。ステアして注ぎ、飴細工の花をカクテルグラスに沈める。レモンピールをそっと降りかける。

 赤い薔薇が、グラスの中をさまよう。差し招くように、逃れるように、揺れる。

「お待たせしました」

 [ No.63 ]


[ Non Title ]

Handle : レイチェル   Date : 99/06/16(Wed) 22:04
Style : ハイランダー=マネキン=マネキン   Aj/Jender : 14/女の子
Post : 娼婦(?)


 バーテンの薦めで男の隣にカクテルが置かれる。
「プリティウーマンですか………。なかなかいい選択をしてくれる店だ。雰囲気もなかなかだし………。ちょっとせんさく好きなウェイターもいるようだが………」
にこにこと周りとバーテン、そして男を見ると、隣の少女に目を向けた。
「じゃあ、おしゃれなお嬢様に乾杯」
チンと快い音がする。

 [ No.62 ]


クスクスクスクス………

Handle : あやめ   Date : 99/06/16(Wed) 21:57
Style : ミストレス=タタラ=クロマク   Aj/Jender : 22/女性
Post : 研究員


>「私の方こそお礼を云わなければいけませんね。こんなステキな場所を教えていただいたのですから」
 西九条の顔を見ながら、相手も満足してるのがとても嬉しくなる。音楽も建物の雰囲気も、そして何より一番大事であるお酒の味もとても満足行くものであった。
「今日はとことん息抜きしてもよろしいでしょうか?」
少しいたずらっぽい笑みを浮かべて、あやめはにこにこと西九条を見つめる。
「………それとも、相手の方に失礼ですか?」
さらに笑みは楽しそうなものになる。
 そして、さりげなく女性の方に目を向ける。
「………えっと………次は………『You’ve Got M@il』………お願いできますか?」
そして、バーテンの方に目を向けて、にっこりと笑いかける。

 [ No.61 ]


この人、疲れてるのかな・・・。

Handle : ”キルロイ”エアハート   Date : 99/06/10(Thu) 18:43
Style : カゼ=カゼ◎・カブトワリ●   Aj/Jender : 20/F
Post : ”鋼鉄の竜騎兵”副長


>「……俺からいったいどんな話が聞きたいんだ?お嬢ちゃん」
>ダークグリーンの義眼は、疲れたようになにも写してはいなかった。

やっと口をきいてくれた。
「えっと、『プライベート・ライアン』ってどんな映画なのか知りたいんです。
隊長が前から見たがってた映画で、見る機会がないっていってたから。」

ただ、それだけ。

「迷惑・・・でした?」

 [ No.60 ]


ピアノリクエスト

Handle : 西九条陸人   Date : 99/06/10(Thu) 17:16
Style : エグゼク◎ ミストレス 黒幕●   Aj/Jender : 20・♂
Post : 管理センターWumb秘書室長


>「・・・新しく生まれた彼らの友情を祝おうではありませんか?」
 
 別にそう云う意味で注文を付けた訳じゃないんですけどね。
 そう思いながらも「そうですね」を、バーマンに短く詫びを入れ、彼は傍らで静かにカクテルに口を付ける彼女を目を合わせる。
 まぁ赤の他人がどう思おうが、別に構わないわけですし。
要は自分の心がけ次第なのだ。
 
 出されたカクテルをおいしそうに味わい、店の雰囲気を楽しむ彼女。今日の自分の使命は彼女を楽しませることで、報酬は、彼女の笑み、なのだ。
「たまにはやはり、こういう雰囲気のいい店で息抜きをするのがいいですよね」
 日々、雑事に追われる身である。それは多分隣の彼女も同じことで。骨休めのできる店を見つけるのはこれで案外難しいことなのだ。
「私の方こそお礼を云わなければいけませんね。こんなステキな場所を教えていただいたのですから」
 お礼を云いながら彼女と同じように視線をピアノに向けた。
 そして。

 視界の端にうつる・・・おばさん・・・妙堂院由耶。
【・・・気づかない振りをしておきましょう・・・】
 グラスをよけ、コースターにもっていたペンでリクエストを書く。書き終わったものをバーマンに渡す。
「もしよろしければこれを。あのピアノの青年にお願いします」
 
 タイトルは『危険の報酬』
 由耶への演出である。

 [ No.59 ]


プリティ・ウーマン (Re:マイ・フェア・レディ)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/06/08(Tue) 23:22
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「お似合いの『映画』ですか。そうですね」
 櫻庭は微かに微笑んだ。その眼の端に、嬉しそうに肩を上下させてピアノを弾き始める青年が映る。
 「アパートの鍵貸します」の主題歌。出世のために、自分のアパートを不倫の場所として上司に提供するクグツの悲哀を描いたコメディ。

 後で叱っておかなくてはいけないようですね。
 リッツォに内心眉をしかめながら、映画を考える。
 どうやら、主導権を握っているのは、あちらの女性。女性に合わせた映画にしたほうが、喜んでいただけそうですね。
 その間にも手は動いて、男性のスーツに映える赤い色のカクテルを作り上げた。

 ヴーヴ・クリコ・ポンセルダン・ドミニックとクリーム・ド・フレーズ。フルート型シャンパングラスに入れて、軽くステア。

 「「プリティ・ウーマン」は、いかがでしょうか。
 ご存知かもしれませんが、公開当時、「現代版 マイ・フェア・レディ」と言われた映画です。富豪エドワードがヴィヴィアンと1週間の契約を結び、彼女をレディにするための教育を行う、ロマンティック・コメディです。
 このカクテルは、その映画の中の、シャンパンにイチゴをつけて食べる1シーンをイメージしてお作りました。蛇足になりますが、このシャンパン、ヴーヴ・クリコ・ポンセルダン・ドミニックは、厄災前からのブランド、ルイ・ヴィトンでお求めになります」

 グラスを差し出すと、バーテンダーは邪魔にならない位置に下がった。

 [ No.58 ]


お味は?

Handle : あやめ   Date : 99/06/08(Tue) 23:09
Style : ミストレス=タタラ=クロマク   Aj/Jender : 22/女性
Post : 研究員


> 「かしこまりました」
 バーテンの手元をじっと見つめ、グラスに注がれると、満足したようにバーテンと西九条を交互に見る。

> 「おまたせしました。口当たりの好さにだまされないように、ご注意下さい。彼ら(マフィア)のカクテルですから」
「ええ」
にっこり笑って、カクテルに口を付ける。
口の中に広がるウィスキーの香り………。
 目を閉じてじっとそれを楽しみ、再び目を開けてほーっとため息をつく。十分すぎるほど満足しているようだ。
「今日はどうもありがとうございます」
西九条に小さく頭を下げる。そして、にっこり笑いかけるとまた音楽とカクテル、そして、周りの雰囲気をたのしみ始めた。

 [ No.57 ]


Saving Captain Miller─失った人間らしさと

Handle : 不知火   Date : 99/06/08(Tue) 19:05
Style : カブト◎カタナ●カゲ   Aj/Jender : 34?/男性
Post : フリーランス?


紫煙を立ち上らせる煙草を灰皿で揉み消すと、白い不透明のカクテルを無言で受け取りながらゆっくりと、ゆっくりと口にした。
無骨な男は深く、静かに溜息をつく。
カクテルに沈む赤い実─それはいったい誰なのだろう?

「この戦争で唯一誇れる事はライアンを救った事だと、胸を張って故郷へ帰りたい」 
戦争の極限状況の中で、ミラー大尉がいった台詞。

その映画の中に突如として現れる平和な田園風景。
故郷への憧憬。そして─無骨な男自身の失った過去への憧憬なのかもしれない……。

ふと、自分の隣にいる少女に目をむける。男が口を開くのを待っているようだ。
根負けしたように、まだ、半分ほど残っているカクテルを置き、少女の方へ向き直った。
「……俺からいったいどんな話が聞きたいんだ?お嬢ちゃん」
ダークグリーンの義眼は、疲れたようになにも写してはいなかった。

 [ No.56 ]


想い出をひとつ・・・。

Handle : ”キルロイ”エアハート   Date : 99/06/07(Mon) 14:13
Style : カゼ=カゼ◎・カブトワリ●   Aj/Jender : 20/F
Post : ”鋼鉄の竜騎兵”副長


 話しかけた男性は一言も口を開かない。
でも、どうしてもこの人の話を聞いてみたい。だからわたしは彼が口を開くまでずっととなりにいる事にした。

「すみません。”MEMORIES”おねがいします。」

 [ No.53 ]


カサブランカ

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/06/06(Sun) 00:09
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


>「ラストはラズ・・・いえ、ラストはラズロではなくリックでお願いします」

「人生は一度限り。映画の中でもそうですよ。新しく生まれた彼らの友情を祝おうではありませんか?」

 映画の結末を変える注文をやんわりとたしなめながら、櫻庭はレシピを組み立てた。最後のシーン、リックの心に広がったであろう、青空をイメージして。

 ライト・ドライ・ラムにブルー・キュラソー、レモンジュース。シェークしてカクテルグラスに注ぎ、ミントの葉を飾る。

「おまたせしました」

 [ No.52 ]


ゴットファーザー (Re:優しい一夜)

Handle : 櫻庭誠一郎   Date : 99/06/05(Sat) 23:59
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62/男性
Post : マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 氷を入れたオールド・ファッションド・グラスにスコッチ・ウイスキーとアマレットを注ぎ、ステア。スタンダードカクテル、ゴットファーザー。

「おまたせしました。口当たりの好さにだまされないように、ご注意下さい。彼ら(マフィア)のカクテルですから」
 
 あまり女性向きではないが、ご一緒の男性が勧めるくらいなら、この女性は充分にタフなのだろう。
 一抹の不安を覚えながら、氷を多く入れたグラスを差し出した。

 [ No.51 ]


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