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Heart Beat
#01 TIGHTEN UP 11.5

#01  TIGHTEN UP  2001/11/5

 テンションやモチベーションとか、そういった類のモノは何気に海に似ていて、穏やかな潮騒を紡ぎ出しているかと思えば次の瞬間には嵐が到来して荒れ狂ったり、堤防ギリギリまで満ちて溢れる日もあれば、海岸線がはるか遠くまで後退することもある。
 テンション高いとか認識するのは脳ミソの中でなんだろうけど、身体の方も応じて心臓からドクドク血流の波を送り出している。加速する血液の流れを、自らの鼓動を、やけに意識する瞬間はないだろうか?

 何かをこなすにはそれなりの理由が必要だろう。
 仕事なら理由は特にいらない。その業務を遂行することが仕事の内容なのだから。仕事を続ける理由は、第一に自分や家族の糧を得るためであって、第二に自分がその仕事を、仕事内容を気に入っているということぐらいだ。
 趣味と仕事が一致していない場合、余暇にはストレスを解消するために、知的好奇心を満足するために人は趣味にせいを出す。趣味と仕事が一致する場合でも、与えられる業務に自分の嗜好や完成度を持ち込めない場合が多々ある。だからその分は自由な時間で解消するしかない。
 趣味に理由は必要ない。好きなだけ時間を使え。

 ただ何かをこなすのに、例えそれが趣味であったとしても、無闇に時間を消費するだけは脳がない。先が見えない。気づかぬうちに色褪せたソレと向き合っていることになる。
 自分にとってもTRPGがそうだった。大学時代は適当に遊んでいた。面子と時間だけがありあまっていた。そして就職して同級生や後輩達が地元に帰っていくと、遊ぶ機会を失っていった。いや遊ぶ機会はあっても率先してTRPGをやろうとは言い出さなくなっていた。自分の中でTRPGはすでに色褪せていた。
 TRPGにしてもF1にしても競馬にしてもプロレスにしても、一度でもはまった経験があり、趣味としていた時間があるのだから、その面白味は理解している。面白味を知っていながらそれを味わおうと腰をあげない自分を苛立たしい。それが仕方ないと思う自分に腹が立つ。
 色褪せさせたのは自分の責任だ。面白いと思えるうちにそれを持続できる何か一手を布石を打っておくべきだった。色褪せた後となっては今更理由を作りにくい。理由があれば、例え腰は重くとも動くことができるってもんだ。

 理由が希薄でも身体が勝手に動くこともある。何かを基点とした、契機としたその場の勢いだ。そのときは加速する自分の鼓動を感じているだろう。
 高いテンション、モチベーションを維持するのは難しいが、その瞬間、ケツを蹴り上げている自分がいるうちに、次の撒き餌を放て。別に同じモノに関するものでなくて構わない。自分が本来取り組みたいと心底思ってるモノであるのがベストだが、そう巧く事は運ばないだろう。どうせなら全くやってなかったモノの方が面白いかもしれない。面白味を理解する過程で十分時間を稼げるだろう。それに狭い視界では世界が広大であることを忘れる。ある映画のワンシーンで主人公はこうボヤいているしな。
「人間、炭水化物ばっかりはよくないんじゃないかな」

 diceはユーザとそして俺達がその契機やモチベーションを得る場として存在している。ちらっと眺めて「へー」とか「ふーん」とかで済ませるつもりはない。その場に隠されている「何か」を見つけてほしい。それで盛り上がってくれれば幸いってもんだ。テンションを上げて場の温度を上げろ。温度はさらに他人に引火してどんどん熱くなれるかもしれないだろう。


「結局、何が言いたいのかよく分からないぞ。次もこの調子なのか?」
「ネタができたらその時、考える。できなきゃその時、考える」
「他の場繋ぎでしかないなぁ。しかもブギーポップのあとがき調で締めかよ(苦笑」
「なんでしたらBGMも入れておきますか」

BGM“COMPLETE SERVICE”by YMO

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